続・くりんなっぷ年度末
『ねこのここねこ みけぶちたましろー♪』
「なんすかその歌。変な歌歌わんといてくださいゆえ先輩。めっちゃテンション下がる」
『にゃにおう!!!』
「うるさいで君らちゃっちゃと手ぇ動かせ」
「うぃーす」
『ごめんやでひとうじくん』
「だるいわーはよ帰りたいっすわ」
「あっ!金太郎さんがおらん!どこ行ったんやろ」
「はあ……しゃーないわ。じゃ、浪速のスピードスターこと忍足謙也が探してくるわ」
「いやいやそこは浪速のエクスタシー侍白石が行くから謙也くんは存分にロッカー掃除に励みぃや?」
「いやスピードスターなめんなよ?金太郎とか3分で連れ戻したるわ。カップ麺作って待っとけボケ」
「やめんね二人とも。仕方なかばい。そこは間をとって浪速のトトロの森住民の千歳が……」
「「住むのんトトロの森か浪速かどっちかにせえよ!」」
「先輩らうるさいっすわ。しゃーないっすね、じゃここは浪速の天才こと財前が……」
『あんたらの出る幕やないやろ!浪速のブリジット・バルドーことあたしが!』
「よーしせやったらもうじゃんけんやじゃんけん。俺、謙也、千歳、財前、小春の5人でじゃんけんや」
『5人て、1人足りひんのやないん蔵。あたしもいれてやじゃんけん』
「ほな行くで、じゃーんけーん……」
『誰かつっこんでよ泣くよ私』
「ざーんねーんでーしたー!!!金太郎はこの浪速の物真似マスターユウジ様が捕獲済みじゃ参ったか!!!」
「仕事はえええ!」
「き、金ちゃんがかつがれとる……!」
『今日のひとうじくんは何や神がかっとるな!』
「きゃーユウくんかっこええでー!!!」
「小春おおきに愛してる!他の奴らはちゃっちゃ掃除せえ!」
「差別や……」
「ほんに遅うなりました……な、どんな状況……?」
「銀さん!待っとったばい」
『やっぱこんな時に銀さんおらなやなーうん』
「は……?」
「掃除や掃除。いやー来てくれて助かったわー」
大体のメンバーが揃ったところで、再び掃除を開始。
「せやけど何で急に掃除やらしよるんですか?」
『それがなー、ひとうじくんがなー、急にじゃかあしいいい!って叫んでな。あ、銀さんもうそこ掃いたからええよー』
「そうでしたか。まあいい機会ですわな」
「ポジティブやなー銀」
「大体お前ら身の回りがなっとらん!汚すぎる!」
『姑みたいやな、ひとうじくん』
「ぶはっ!何それめっちゃ合うとる」
「……ん?何やこれ、アルバム……?」
「謙也?高いとこでボケッとしよったら落ちるで」
「ちゃうねん白石、何かあるんやってアルバムみたいなんが」
「うわっ、ボロいっすね」
「年代物やねえ」
『ロッカーの上置いとくとか見られたくないんやろか』
「見たらあかん雰囲気やと見たくなるんが人の性ですわ」
「銀も見たいんやんなあ!ワイも見たいわ!!!謙也あ見ようや!!!」
「まあまあ金ちゃん。まずはユウジに掃除中断の許可ば貰わんね」
「見よか!!!」
『決断早いな』
『なんか文字みたいなん書いとるで。卒アル?』
「この古さから推測して持ち主は……」
「ちょ、小春、聞きたないわその続き。なんや怖い」
「ちゅーか、皆ある程度予測ついとるやろ……」
「まあ、ある程度はついてますわ」
「?ワイ分からんで!見ようやー!!」
「あっ、ちょ!金太郎さん!!!」
「思い切りよすぎたいね!」
『……あっ、ビンゴや』
「げっ」
「まじか」
『ほらこれ、ここ、オサムちゃんやない?』
「うっわほんまやわっかいなー!」
「将来の夢とか書いてますやん」
「え、何なに……将来の夢は……“ゼリーになりたい”……」
「…………ゼリーか」
「ゼリーっすか……」
「ゼリーみたいやな……」
「何味とかいなね……」
「まあ色んな意味で叶っとるんやないの」
『……あたし明日からオサムちゃんにもっと優しくするわ』
「俺も……」
四天宝寺テニス部レギュラー達の心が今、ひとつになった。