新喜劇は突然に
「ったくええ加減にしいや!!これで寝坊したの何回目や?!ほら言うてみい何回目や!」
『通算10回目です。いやだってラオシャンロン狩れんかってん。昨日財前くん先に寝てしもて、しゃーないわうち一人でも狩ったれーみたいな変なテンションなってしもたんや』
「知らんわ、この前まで俺と一緒に仲良うドラクエしよったやん。せやのに今度はモンハンか。ゆえがそんな浮気者やったなんて悲しいわー俺。財前と一緒でさぞかし楽しいやろなーグラフィックもお綺麗なんやろなー」
『な、に、をー!そんな羨ましいんやったら蔵もモンハン買おうや、あたしらと一緒やったらええやん!何拗ねとんねん!』
「あっ、あほか!俺別にモンハンとかしたないもん拗ねとるんとちゃうわ。羨ましいとか毛程も思っとらんわ!財前がなんぼのもんじゃああああ!」
『めっちゃ気にしとるやん!めっちゃ興味あるやろ自分!何財前くん意識しとるん?!変な意地張っとらんでパーティー入りや!財前くんやったらきっと受け入れてくれるって』
「い、今更何や!もうお前と戻る気なんてないんやからな!お前ら二人でハンター生活エンジョイすりゃええやろ!所詮お前にとって俺とか通過点やったんやろ?寂しい俺なんかに構わんといてや!」
『蔵……。何でそんな悲しい事言うん……?あんな、蔵、あたし離れとってやっと気づいた。蔵も一緒におるんが一番しっくり来る。何か安心すんねん』
「ゆえ……」
『蔵がおってくれた方が、やっぱ楽しいんやわ』
「ゆえ……!そんなに俺のこと思ってくれとったんやな……堪忍な、今まで気づかんとあんな事言ってもうた」
『こっちも、蔵は寂しかったんに、あたしばっか財前くんと遊びおって』
「ええねん。またお前と一緒におれるだけで、俺は……」
『蔵……』
「ゆえ……」
『蔵………………』
「ゆえ……」
『蔵……………………足、痺れやばいからもう崩すで』
「えっ、あっ……………………ウン、もうええわ」
「…………気い済んだか?部活始めてもええか?」
「スルーかい!どや、謙也。我ながら中々エクスタシーな出来やったと思うとるんやけど」
「どやってお前…………小春とかユウジとかに見せた方がええんちゃう?」
「ちょくちょく俺の名前使うん止めてくれます?」
『固い事言うとらんと財前くん!さ、部活前に一狩り行くでー』
「何すかそのノリ。ま、しゃーないっすわ。昨日寝てしもた借りあるんで付き合います」
「いやせやけどやっぱ俺モンハンは認められんわ」
「さっきから気になっとっんのやけど、モンハンとドラクエってえらいジャンルちゃうやんけ。比べ様ないやん。おうこら財前、何ゆえに付き合うて本気で一狩り行こうとしよるんや。部活始めるで」
「ゆえ先輩の装備相変わらずエロっ」
「「何やと」」