※Rつけるほどの美しいエロティックではないです。ただ丸井さんが乳乳言ってます。気をつけてね。
「Eカップ(笑)」
「は?」
「いやなんでもねー」
「……?」
こやつ、嫌味か。スレンダーな私を前にして何を失礼なことを言っているのか。
データをとりたいとかなんとかで、過去の試合記録を洗い出してほしいとの柳くんからの頼まれ事を、部室でいそいそとこなしている最中、丸井が先程からおもしろがって邪魔ばかりしてくる。正直うざったい。
通常業務も残してあって、あまり暇でない身であると知っての頼み事なのか、柳くんのドSさには殆呆れた。時間がないのだから一人で作業をしたいのだが、丸井は何故かその場を頑として動かない。目の前であくせく働く私を見ながら座っているだけで、手を貸すそぶりすら見せてくれない。あまり構ってらあげられないよ、とはあらかじめ言って、遠回しにどっか行けとのサインを送っているのだが。
「お前それ今日ずっと貼ってたの?」
「はあー?」
またか。先程から、わけの分からない話ばかりしないでほしい。せめてこちらにも分かるように話をしてほしい。
そろそろ苛立ちが沸点へ達しようとしたその時、突然、丸井はふっと立ち上がって私の背後へと素早く回る。
「え?な、何?」
「まーまー、じっとしてろって」
その突拍子もない行動に驚いた私は、背後の丸井を確認しようと振り返ろうとするが、肩を抑えられてそれはできなかった。
瞬間、何かが擦れるような音がした。それは紙のような音だった。
「何してんの!」
「あーあーあー落ちつけって、ほら」
肩への圧力が解放されて、勢いよく振り返ってみると、そこには呆れ顔で一枚の小さな紙切れを私の眼前に差し出す丸井がいた。
「…………E……カップ……?」
「Eカップ(笑)」
「…………」
よく状況が飲み込めない。目の前にはEカップとだけ書かれた小さな紙。それは丸井が背後から取り出してみせた。紙の上部にはセロテープが着いている。
「………………し、しにたい…………」
全てを悟った私は一言、それだけを呟いた。
「ぶっ……く、お前いじめられてんの?」
「こ、心当たりなら……」
昼休みのとき、共に談笑していた友人Aの仕業に違いない。思い返してみればやたらと背中を叩かれた気がする。犯人が判明した途端に、羞恥を覚えた心は怒りに掏り替わった。
「あああああ!!よくもやたらと背中を叩いたな!!!てか柳くん何で教えてくれなかったのよおおおおおお!!!!!!」
「やるなあ柳も、なかなかドSだな」
「もうやだ……私こんなの午後からずっと貼ってたの……?てか教えてくれる人が誰もいないとかどういうことなのよ……」
「やっぱお前いじめられてんのか?」
「いや……私も迂闊だったんだ……くそ、あいつ、今日は丸井に告られるかもよとか言って……そういう意味か……」
「は?」
「あっ」
どこまで迂闊であれば気が済むのだ私は。
「は?」
「いや、あの、もう……忘れて……」
恥は重ねるごとに心的負担を二乗するようだった。これ以上はないと思っても、恥ずかしいものは恥ずかしい。
茹でダコの如く赤くなった顔を必死で手で隠そうと試みたが、無理だった。目は辛うじて隠していたが、目の前にいるであろう丸井の視線をひしひしと感じる。しばらく流れる沈黙は、私が自供することを促しているようだった。
恐る恐る指を外して丸井と顔を合わせてみると、驚いた。丸井はひどくきらきらとした目で私を見ていた。想像していたものと違って思わず首を傾げてしまう。果て、どうしたものか。
「丸井って、おっぱいおっきい子が好きなんでしょ?」
「えっいやそりゃおっきくて困るもんじゃないしまあ嬉しいから嫌いじゃないけどって待てそれ誰情報だよ」
「ちっぱいですみません」
「べ、別にちっさくても慎ましやかでそれはそれで逆になんかエロいからいいけどってだからそれ誰情報だよ」
「ちっぱいですけど貰ってくれますか」
「ばっかお前でかくなりたきゃ俺を信じろ。俺の育成スキルなめんなよ」
11/0420
突然終わります。
どうも阿保ですすみません。
誕生日とかそんな厚かましいことは(略)
でも楽しかったです久々のぶんちゃん。
ただタイトルが思いうかばなかった…すみませんすみません…