確かその日は散々な目に合った。勝負事は控えたほうがよさそう、とアナウンサーのお姉さんが言っていた通りにすればよかったと今更後悔なんかしても遅い。星座占い然り、血液型占いもまた然り、占いとは嫌なことだけはよく当たるらしい。






「おーそーいー!ったくどこほっつき歩いてんだよ名はー!」

「自分頼んだもん売りよる店は有名店やって忘れとるやろ」

「だけどもう2時間は経つぜ?!あーもー暇ー!」

「こら岳人。布団の上転がんなや、埃舞うやろ」

ポーカーで見事に大敗した名を使いっぱしりに出してもう2時間も経った。岳人が有名店のプリンなんか頼むから、今頃名は激務に追われているのだろう。侑士の家に転がり込んでいる岳人はさっきから布団の上を回って飽きたらゲーム、そしてまた転がるという事を繰り返しながら名の到着を待っている。

「チャイムか?今何か鳴ったな」

「帰って来たんじゃね?」

「ん、見てくるわ」

侑士が玄関口の扉を開けると、そこには額から血を流す名が、今にも泣きそうな顔をして突っ立っていた。そんな出で立ちながらも手には侑士と岳人が注文した品の入った袋が握られていて、そのシュールな絵面に不覚にも侑士は吹き出してしまった。

「ひ、額から……りゅ、流血しとるで」

「流血してる本人がそれを知らないわけないでしょ」

「とりあえずマキロンでええか?」

「馬鹿じゃないの無茶苦茶染みるでしょ。とにかく入れて」

「岳人ーキズパワーパッド用意したってー」

「プリン食ったらな」




「……よし、とりあえずはこんなもんやろ」

「さすが医者の息子。礼は言わないよ」

「そこはやっぱ言おうや」

「ところで何でデコなんて怪我してんだよ」

「………あ、あのね、あ、」

「あ?」

「跡部に追いかけられた……」

「…………」

「…………」

「…………ぶふっ」

「…………ふっ」

「ぎゃはははは!は、何?あ、跡部に?ありえねー!」

「追いかけられたって……惚れとるからってあの跡部がそこまでするもんとは」

「馬鹿すっごいびっくりしたよ!怖かったんだよ!店並んでたら何でか出くわしてさ、プリンぐらい買い占めてやるとかって、馬鹿だろ!必死で逃げてこの様だよ!」

「自分よー逃げきったな」

「捕まってたらそんまま無人島とか連れていかれてたかもな」

「冗談と言い切れないから怖い……」







「お、侑士見て見て。相性占い発見」

「ちょお折角やから跡部と名でやったろや」

「てめー眼鏡叩き割るぞ」

「跡部はてんびん座だよな、えーと…………」

「……………………え、ちょ、黙らないでよ怖いから言ってよ結果」

「あー、えっとな、うん」

「何て曖昧な返事」

「うん、ドンマイ」

「人生長いんやから一個位ええ事あるって」

「そうそう、あいつ金持ちだから生活に苦労はしねーと思……わなくもないかな」

「何で生涯を共に過ごす事前提で話を進めるの」

「脱走とかしたらFBIに捜索願出しそうやわ」

「むしろ家から出してくれなさそうだな」

「勘弁してよ……」

「そんなん言うたって、100%や言う結果は変えられへんしなあ」

「諦めろって、プリンやるからよ」








100404

跡主作品なんだと言い張る。
タイトルとか思いつかなかったから適当なんだ。最近真面目なタイトルつけてない。
元ネタは友人の夢から。
なんて素敵な夢を見てやがる。







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