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なんかすげぇな、が第一印象であった。

俺達、救世主一同+αは国立なんたら学園の入学式に参加していた。

俺達が元居た金持ち学園のさらに上をいく立派な学園であった。


そして第3王子も入学式に参加していた。そして新入生代表だった。

+αとはコイツの事である。新入生代表で呼ばれて初めて知ったのだが、名前はレオというらしい。本当はもっと長ったらしい名前だったが忘れた。

俺の中で無口少年であった王子は、壇上で定形文をすらすらと読み上げた。

俺達は一同唖然である。



「秋元、なにしてる。」

しかし、みんなが唖然とする中、となりが騒がしいなと秋元を見れば案の定どこで手に入れたのか分からない一眼レフカメラでレオを撮りまくっていた。

盗撮だよ!と、ようへいは馬鹿だなぁそんなの決まってるじゃない!というオプション付きで叫んだので殴っておいた。

そういえば、盗聴器もどこから手に入れたんだろうとかいう疑問は次の瞬間に吹っ飛んだ。


生徒会挨拶とスピーチで流れ、生徒会役員らしき人たちが壇上に上がり、物凄い悲鳴が上がったのだ。


うちの学校より人が多い分凄いなと思ったが、叫んでいるのが女性な事に安堵した。

そして秋元のシャッター数も増した。


「静かに。」

あれ?いつもの冷たい声だ。会場がシーンと静まり返る。


「私は副会長をしているアイリと申します。よろしくお願いします。」

最後まで無表情なのは変わらない副会長は、第一王子だった。

うちの学校の副会長とキャラ被ってるなとは思ったけど、まさか役職まで。

そして次に声を発したのも、見知った声だった。

「ハルトだ。会長の俺に迷惑かけんな、以上。」

第二王子、その人であった。横の秋元がじゅるり、やはり俺様会長だったか。はぁはぁはぁはぁとか言っているのは頑張って無視した。

というかさっきからキャラ被りすぎだろと思っていたら、他の役員の紹介は無いらしく、2人はさっさと壇上を下りていった。


「アイツら、王族の癖に堂々と学校通えんのか?」

と、何時もの如く全うな疑問を口にする朗人くん。

ところで、うちのがっこの会長はどこに行ったのかねぇ。

秋元の盗聴器は装着済みなんだけどなァ。

朗人くんが悪人面になってるぞ、とかまたマトモな事を言っていたので将来禿げるぞと忠告しておいた。



「俺様かいちょ、はぁはぁはぁ………。」

それから秋元は本当に黙ればいいのに。