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ふと、副会長がいないことに気がついた。秋元に副会長は?と聞けば、生徒会へのオファーがあったそうで、生徒会室に行っているとのことだった。

そういえばと、被りまくっているアイリ王子様と仲良くしていた事を思い出す。それと同時に、会長である赤髪のハルト王子様と険悪ムードだったようなと思い出す。

だがその前に副会長の属性が気になるところである。

魔力量を測定した時まではいたようで、副会長の席には大きくなった石が置かれていた。

約束の時間でも決めていたようだ。

「ねぇねぇ、これ勝手にやったらだめぇ?」

秋元も気になるようで、ホスト教師にぶりっこポーズで尋ねる。きもい。

「あー、だめだな。」

「えーなんでー?」

「………………爆発するから。」

説明するのもダルいらしいホスト教師は、適当に回答する。

そして真っ直ぐにその言葉を受け取った秋元は、副会長の石から三歩遠ざかった。


「あれ?皆さん何してるんですか?」

突如帰宅した副会長。

「属性検査だ。お前最後だから早くやって来いよ。」

「ありがとうございます。」

親切に質問に答えてあげるのは、やはり朗人くんであった。一つ頭を下げて石を右手に黒板に向かう副会長。

副会長の石は紫色に光った。まあ、予想通りでございます。神様のくれたおめめは便利だ。

まあ、火と水の多属性だな。

ホスト教師の目がさらにギラギラし始めたので、目を逸らした。

秋元はまた「きーきー!」言っていた。と、ふと動きを止めて副会長に話しかける。


「………そういえば副会長生徒会どうしたのー?」

ああ、そうでしたねと副会長。

「一応アイリとは仲良くさせてもらってますので、うけさせて頂きました。」

「えー、じゃあ副会長はもう副会長じゃないじゃんかー!」

「アイリ、……副会長の補佐という形ですが、副会長でいいですよ。」

向こうでは副会長ですから、と少し俯く副会長。ああ、もうシリアスムード。




「うぜぇ。」

皆さんしんみりの中、低い声があがった。会長様である。

全員が会長に注目する。

「帰れなかったら、帰れなかっただろ。それまで楽しんどけ。」

ニヤリと効果音が付きそうな笑い方をする会長。
俺様会長復活ですかね。やっと元気そうになって良かった。


「………俺様かいちょ、はぁはぁ。」

秋元は本当に死滅すればいい。