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会長の黒い石を見た生徒から広まり、注目が集まる。

元々、美形集団だ。女子達も騒ぎ出す。ずるい。


その間に、書記がすでに元の大きさに戻った石を持ってやってきた。

それはあまりにも綺麗な、深い青をしていた。

ほぅっと秋元が息をついて、書記に絡みにかかる。

うつくしーねうつくしーねと連呼していた。

無情にもそんな秋元と書記を放置して、朗人くんと黒板に向かう。

「お先にどーぞ。」

朗人くんが譲ってくる。お言葉に甘えて石をかざす。ついでに火がいいと強く念じる。

すると、再び耳元のピアスに5回程電気のようなものが走り石は赤く光った。

今の耳への刺激はまさかと思ったが、考えないようにした。

縮んでしまった石は、濁った赤色をしていた。書記とは大違いだなぁと思いながら、とりあえず火だったことへの喜びを噛み締める。

「嬉しそうだな。」

朗人くんが呆れたように言う。

「当たり前だろ!」

これでいつでもどこでも飯食い放題だ。さらに呆れた顔をした朗人くんが、諦めたように石をかざしに向かう。

すると、何色が分からない光を発した。朗人くんが持って帰宅した石は透明だった。

驚いたが、とりあえずチート発動。一番驚いている朗人くんが早くしろと急かしてくる。

どうやらこれは、光と闇の多属性らしい。非常に珍しいそうだ。秋元がハンカチを噛んで、あきあきの裏切りものーっ!と叫んだ。



全員の石を自分の机に並べてみる。とても多彩だった。

視線の隅では、ホスト教師が携帯から誰に電話しているか謎だが、賭け金を引き上げるとか小さな声で言っていた。