どこでもdoor! | ナノ







次の日、朝から王宮を出る。護衛が1人付いて来たが、無言なのでスルーする。

そういえば昨日も、1人の王子様は最後まで喋らなかったなと気になったけれど無言キャラだろうと思考を停止する。


街に下りれば、そこはとても賑わっていた。まあ、普通に元居た世界と変わらず近代的であった。そして何より女性がいた。

全寮制の男子校生活が長かったから忘れていた。ビバ女性!ビバ柔らかい胸、豊満な胸!硬い胸板なんてまっぴらだ!そうだろみんな!と心の中で叫んだ。口に出したら捕まる。

同意を求めるように、秋元と朗人くんに感動を目で訴えるが秋元は首を傾げ朗人くんは苦笑いをした。

まあ、実はバイだったりします。すみません。

と、不審者顔負けの挙動不審で街をぶらぶらしていたら洋服屋さん的な店を見つけた。

今、俺達が身につけているのは少しかっちりとした服装である。

秋元と朗人くん。こいつらあきあきコンビだな、は美形なので遺憾なく似合っているが俺はやばい。

なんか、服装に顔が浮いている気さえします。

ということで、ラフな服をと問答無用であきあきコンビを洋服屋さんに連れ込む。

なかなか、いい雰囲気のお店だった。ジーンズなどを王子様のカードで購入する。出掛けるならと貰ったものだ。

「こんなに買って良いのか?」

とは朗人くんの台詞で、意外と常識人である。

そして

「お前ら、キャラ違うよな。」

も、また朗人くんの台詞である。

そして転校生の傍にいた理由が、転校生の親に金積まれてた。だったのは衝撃だった。朗人くん、意外と?見た目通り?悪い奴であった。

そんなこんなで、生活必需品と美味そうなものを買って帰宅。

明日はどこ行くかなと、あきあきコンビの道連れは既に決定事項。

秋元はいつも通りだが、朗人くんは溜め息をつきながらも笑って、お前の事が分かってきた気がすると言っていた。

引きこもりになった会長とか、青い方の王子様と仲良くしてた副会長とか、無言王子とこれまた無言書記がテレパシーで会話してたとかは、また別の話。

というか、既に王宮中に盗聴器を仕掛けていた秋元くんから聞いた話である。

萌えを聞くためとか言っていた。腐男子こえぇ。

やっぱり朗人くんは苦笑いしていた。