はじめて溜まり場に顔を出してから一週間がたった。
赤髪の男、確かレンと名乗っていた。
奴は俺に声をかけた時の反応で、副総長がいつも話しているトモダチであると気づいたらしい。
闇討ち集団を見つけ出すことを依頼すれば、快く頷いてくれた。
連絡先を交換して、その日はすぐに帰宅した。
その後何日かは久しぶりにトモダチと街で買い物をした。
そして溜まり場に顔を出した日から4日後ぐらいに帰宅した時、驚くことに次男である男の靴があり、バイクで帰ってきたことだとかがバレていないか警戒したが、いつも通り無視された。
俺もかなり頭がオカシいがコイツも変だ。たぶん、兄貴のことしか視界に入らない。兄貴は俺だけしか視界に入んねーから泥沼三角関係だなァなんて思った。しかも全員兄弟とか終わってる。
俺はハヤしか見てねーけどな。
次男が自分の部屋に入っていき、安心して先程から五月蝿く鳴る携帯の通話ボタンを押す。
相手はレンだ。
『…………おせぇ。』
不機嫌そうでなにより。
「で、見つかったかァ?」
『見つかった見つかった。』
電話の向こうの男は、謝罪も無しかよとぼやきながらも、メールで名簿を送るといってきた。
「ありがとなァ。」
通話を切ろうとするが、レンが待てと叫んだ。
「なんだよ、うるせぇな。」
『約束、忘れんなよ!』
ああ、はいはいと返事をして容赦なく切る。
レンにこの件を依頼した時の交換条件。
トモダチとくっつくのに協力しろ。とんだ物好きだなァと思う。ただトモダチが一つのモノに執着するのは見てみたい気もしたので頷いた。
頷いたのは頷いたけど、適当にくっつけよとも思う。
「うぜェ。」
俺はハヤのことで手一杯なんだよ。送られてきたメールを開き名簿を確認する。
ああ、愉しくなりそうだなァ。お前もそう思うだろう?ハヤ。
今日はトモダチの家に泊まって、前祝いといくかなァ。兄貴に良い子ぶりった置き手紙をして、トモダチに電話する。
あァ、はやくはやくはやくはやくはやく、ハヤにアイタイ。