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…そんな訳で、私は朝のHRにも出ず一時間目もサボろうと屋上へ向かっている訳である。



「…はぁ……」



溜め息を吐いて扉を開けると、気持ち良い風が痛む頬を撫でた。

 扉を閉め、大きく背伸びをする。
空は清々しいくらい青くて、日光も暖かい。

こんな日に昼寝したら最高だな〜。



「ククッ。誰かと思えばお前か」

「うん?」



聞き慣れた低い声がし、上を見れば人を見下ろしてくる片目のバカ助が。



「誰がバカ助だゴラ」

「人の心読むなセクハラ」

「セクハラはてめーの存在だ」

「ンだとゴラァ!?」



朝っぱらから喧嘩売ってんのかコイツ!?

 梯子を上り、相も変わらず学ランの下にレッドテーサツなんて着てる晋助を睨む。
いや、私も学ランだけどさ。



「オイ、それどーした?」

「何がどーしたって鬼太郎君」

「誰が鬼太郎だ」

「オイ鬼太郎!」

「似てねェよ」

「妖怪アンテナが立ってるよ!?」

「立ってねーよ。アンテナねーよ。殴るぞ」

「きゃー。暴力はんたぁーい(棒読み)」

「キショい」

死ね高杉

「うるせェまな板」

「Aカップ舐めんなよ不良」

「オメーも不良だろうが」


くそっ。コイツがいつも屋上にいるってこと忘れてた…!!
 サボり魔め!ダブってしまえバーカ!!



「…で。何があった?」

「別に?」

「頬赤い」

「青空にトキメいてます」

「じゃあその青空に連れてってやろーかァ?」

「ギャー!!ゴメン!話す!ちゃんと話すから!!」