2




「いい加減にしろ!自分のせいで他の奴に被害が行ったんだぞ!?」

「は?」

「一年の奴が天人高の奴にボコられたらしい。どう考えても沙良が原因だとしか思えん」


 一年の奴がボコられた…?
私は一年に知り合いなんていないのに…?

どーゆー事、だ…?


「それって誰?」

「1年B組の田中って奴…ってオイ!」


 近藤さんから名前を聞いた私は、すぐ一年の教室に向かって走った。

何で関係ない奴を襲うんだよ…!!
 単なる偶然にしちゃタイミングが良すぎる。

昨日あのトラが言ってたイベントって…コレの事?
 速過ぎるだろーが!

もーちょい焦らせよ!
読者の皆さんついて来れなくなっちゃうでしょー!!




1年B組の教室に辿り着き、近くにいた生徒に田中っていう子を呼んでもらうように頼んだ。
 顔に湿布を貼っている坊主頭の少年が田中らしい。

こちらに歩み寄って来た田中君の表情はかなり暗い。


「君が田中君?」

「はい…そうですけど…」



「すっげー、あの土方先輩だよ」

「沙良先輩がB組に来てるよ」

「格好いい〜vV」

「や〜ん。沙良先輩が来てくれるなんて…!!」


 教室にいる生徒が何か騒いでいたけど、敢えて無視。


「私は土方沙良。ちょっと聞きたい事があるんだけどいいかな?」

「はい」

「昨日、天人高の奴等にボコられたって本当?」

「…はい」


田中君の顔が一層暗くなる。