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「…何で知ってる?」

「いやなに、あの高校に我々の仲間がいるって事。3Zのメンバーではないが」

「つまり、近藤さん達に誤解されたままでいろと?」

「簡潔に言えば、そうなるな」

「私がアンタの言う事を素直に聞くとでも?」

「このゲームに乗らない、というなら君の高校の人間がランダムに一日一人ずつやっていくが?」

「…それは脅しって言うんだよトラ君」

「茶蘭だ!」

「茶蘭?…あぁ、ちゃらんぽらんのちゃらんね」

「ちょ、マジでムカつくんだけどこの小娘」

「…ま、いいや。そのゲーム、乗ってやりよ」


 ニヤリと笑みを浮かべて言ってやれば、相手も笑みを浮かべた。

ここで逃げたら、土方沙良の名が廃るしね。


「流石はあの土方沙良だ。大した度胸だな」

「そりゃどーも。だけど、こんなゲームをする理由が分からないね」

「昨日、こちらから大人数で喧嘩を売ったというのにやられた。このまま何も仕返ししないとあっては、下の奴等に示しがつかないんでね」

「なーんだ、そんな理由か」

「我々にとっては重大な理由だ」

「そーですか」





「では、ルールの詳細を説明しよう――――」




 笑みを深くするコイツを、殴りたくなった。