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「なぁ高杉ー。教室来いって」

「……晋助だ」

「うん?」

「高杉 晋助」


ぶっきらぼうに告げられる台詞は、どうやらコイツの名前らしい。


「…よろしくな晋助!」

「…知るか」

「ひっでぇ!仲良くしようぜ晋ちゃんV」

「馴々しいんだよまな板!」










……ってな感じで、私と晋助は出会ったのである。
 アレ?今とあまり変わりない感じじゃね?

いや、今の方が仲良くなってるか……。だといーなぁ…。

あれから何日か、晋助に「教室来い」コールする為に毎日の様に屋上に行ったっけ…。
 懐かしいなぁー…。


「……さて、そろそろ行きますかな」


 今日は二時間しか授業ないからもう終わるだろーし。
帰りに本屋でも寄って行くかな。


「晋助、あげる」

「…飲みかけかよ」


文句を言いながらも、私が差し出したココアを受け取る晋助。
 疲れてる時には甘い物だぞー。

梯子を使わず、ジャンプして降り、扉を開けたら晋助に呼び止められた。

 上を見上げたけど、呼び止めた本人は顔を出していない。


「…次はコーラにでもしとけ」


 ぶっきらぼうで文句ばかりだけど、その言葉にはまた来いという意味があるのを知っているから。


「りょーかい」


小さく笑って答え、私は屋上を後にした


 きっと、この屋上は私にとって君と出逢えたかけがえのない場所




「お前に逢えて良かった」



そう呟いたのは、どっち?





屋上
「どっちも甘ェ…」
(間接キスなんて当たり前)(それだけじゃ足りない)