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兄さんの隣りまで進んで立ち止まり、腕組みしているゴリ…ゴリラに顔を向けた(言い直した意味なくね?
「近藤さん。近藤さんが私を信じるか噂を信じるかはアンタの自由です。私には止める権利も何もない。ただ…」
「ただ、何だ?」
「その選択肢を選んで、後悔しないで下さい」
ただ、それだけが条件。
自分でその道を選んだ事に対して後悔しないで欲しいから。
「兄さんも、同じだよ。どっちを信じようと勝手」
「…ガキが生意気言ってんじゃねーよ」
グシャグシャと少し乱暴に兄さんは私の頭を撫でながら言った。
「テメーの妹信じらんねぇ、なんて兄貴として失格だからな」
そう言って、小さく微笑んだ兄さんの言葉は少し意外に感じた。
「いつまでも沙良に触ってるんじゃねェやい土方コノヤロー」
「総悟」
「てめぇ…」
手を払い、間に入ってきた総悟を兄さんが不機嫌そうに睨む。
いやいや、こんな時に喧嘩しなくていいからね君達。
今はシリアスパートだっていう事を忘れないでね?
「すまないねィ近藤さん。俺ァこの馬鹿を信じまさァ」
「総悟!?」
「マジでか」
「マジでさァ。沙良にそんな度胸がある訳ねェ」
「アレ?私けなされてる?」
「山崎。お前はどうなんだ?」
「決まってるじゃないですか」
後ろにいるザキに兄さんが問い掛ければ、彼は笑みを浮かべて答えた。
馬鹿ばっかだよ…ホント…。
後悔するなよ、って言ってやりたいくらいだ。
でも、本音を言って嬉しい。
だから、敢えて何も言わないでおいた。
「ま、そーゆー事だ。近藤さん」
「…そうか。だが、いくらお前等が敵だからと言っても容赦はしないぞ」
「当たり前だ」
完全に、二つに分かれた瞬間だった。
こんな事になってしまうなんて、誰が予想しただろうか……。
こうなってしまったのは、私が原因なんだって思ったら、胸がチクリと痛んだ。
崩壊
(沙良に喧嘩を売る度胸なんてないでさァ)
(まだそのネタ引きずってんの!?)
(チキンだからな)
(オィイイ!!せっかくのシリアスが台無しじゃねーか!!!)
(沙良ちゃんドンマイ…!!)
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