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「それを聞いて土方さんがふざけんな!って珍しく委員長にキレて…。そこからあーやって二人睨み合ってるって訳」

「あの兄さんがゴリラにキレるぅう!?」

「ゴリラって言わないで。シリアス壊れるから」

「あ、ゴメン」

「そりゃ自分の妹が殴られたんだから、キレるでしょ?話も聞かなかったって言ったし…」

「うっそん」

「だって、沙良ちゃんも土方さんが理由もなく殴られたりしたら怒るでしょ?」

「…まぁ…それなりに、多分…」

「(素直じゃないなぁ…)それと同じ」


 でも、あんなに近藤さんを慕っていた兄さんが、近藤さんにキレるだなんて…。
ギャグパートでなら何度でもあるけど、シリアスパートじゃ初めてだよ。


「沙良!いたんですかィ」

『何!?』


気付いた総悟が私に顔を向けて言えば、睨み合っていた二人も同じ行動をする。

 シリアスパートじゃなきゃ笑っていたのに…。

というか、気付くの遅くね?そんなに私は存在感薄いか。傷付くぞコラ。


「大丈夫なんですかィ?」

「ん。ヘーキ」

「沙良」


兄さんが、複雑そうな顔をする。
 近藤さんを信じるべきか、私を信じるべきか迷ってる。って所かな。

アハハ…まったく、面倒な事になってしまったもんだ。

もっとボコれば良かったなあの天人達…。