もしも妖怪ならば。 | ナノ

この真っ赤な痛みに



私の彼氏には秘密がある。



「名前〜。お腹すいたよ〜」

「えー?さっき錫也のお握り食べたでしょ」

「違うよ。こっち」



そう言って彼が指差すのは自分の口元。

細かく言えば彼の八重歯だ。



「…お腹すいたの?」

「うん。名前の血が食べたい」

「人間の食べ物と吸血鬼の食べ物は別腹なんだね」

「そうなんだ」



彼は吸血鬼。私の彼氏。

吸血鬼と人間のハーフの彼は一日に何回か血を吸わないと生きていけないらしく、その赤い瞳も赤い髪も吸血鬼の証拠なんだそうだ。

今までにその綺麗な歯で何人の女の子に噛み付いてきたのだろうと考えれば考えるほど胸の奥が焼けるように熱くなる私は彼を束縛したいだけなのだろうか。



「チクッとするよ?大丈夫?」

「大丈夫だよ、羊」



この痛みを感じる度に私は今だけは羊が私の血を求めていてくれているんだと実感する。



「ふふっ…おいしい」

「ッ……」



チクリと首筋に走る痛みを感じて思わず顔を歪めた。


ねぇ、羊。

その笑みも血を飲む度ごくごくと動く喉も赤い髪も瞳も全てが好きだよ。愛しいよ。

私は羊が吸血鬼とか気にしない。


だから、この血を満足がいくまで飲み干してよ。

私にこの痛みをずっと感じさせて。



貴方は私のものだってずっとそう思っていたいのよ。





私の彼氏には秘密がある。

それは私だけが知っていたい彼の秘密。




この真っ赤な痛みに




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夢小説サイト『拳銃と私』の管理人さとゆうです!

今回はこのような企画に参加させていただき、本当にありがとうございました!!


最後らへんから方向性を見失いまして、まさかのヤンデレっぽい主人公になってしまいました(゚-゚;

自分の無い文才には困ったものですね…。



『××ならば。』様に提出させていただきます!
本当にありがとうございました!






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