もしも教師ならば。 | ナノ

つばさとぬくいさん


私が今まで出会ってきた教師の中で、翼先生が一番強烈的な先生だったと思う。






親との関係があまりよくなかった私は、逃げるように星月学園に入学した。入学してからは特に目立たず、友達と呼べる相手も少ないまま繰り返しの毎日を続けていた。

それでも、授業も楽しいし生活に不自由することもなかった。


そんな平凡な生活を打ち砕いたのが、翼先生だった。
正直なところ私も詳しくは知らないのだが、翼先生も昔は私と似た境遇だったらしいのだが、その時出会った生徒会長をはじめとした生徒会メンバー等によって凄く鮮やかな世界を見せてもらったそうだ。
そして、私も




「ぬははー、名前!今回も凄いの作ってきたぞー!」

『あ、翼先生。今度は何を作って来たんですか?』


翼先生は毎日のように、私の下へとやってきて発明品を自慢をする。
ちゃんと仕事をしているか心配になるのだが、翼先生が楽しそうなので仕事してなくてもいいかとも思ってしまう私は重症なんだと思う。

「じゃーん!」

自慢げな表情で私に発明品を見せてくれるのだが、申し訳ないが何が出来る発明品なのかさっぱり分からない。今分かってるのは、人型の何かということだけだ。
翼先生の作品なのだから、失敗さえしてなければ凄い発明品だということは分かるのだが…。


『このこは、何が出来るんですか?』

「聞いて驚けー!この“ぬくいぬくいマシーンぬくいさん23号”は、人の心をポカポカにしてくれるんだぞ」

『従来のぬくいさんとは違うんですね!今回のぬくいさんは爆発しませんよね?』

「俺の発明品が爆発する訳ないぞー」


ものすごく色々な意味(特に爆発的な意味)で不安になったが、翼先生を信じてみたいと思う。普段の発明品でも信じるのだが、今回の発明品は成功していればものすごく良い発明品だろう。


『じゃあ試しに誰かの心をポカポカにしてみますか?』

「ぬははー、もうポカポカになってるぞ」

翼先生の言葉の訳が分からず、頭上にクエスチョンマークを浮かべていると、翼先生は私の胸に指を指した。
余計に訳が分からない。


「名前の心がポカポカになったぞ」

『それはないでしょ』

くすりと笑いながら、翼先生にツッコミをいれる。





だって、翼先生に出会った日から私の心はポカポカだもん。









翼が教師ならば。





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