・フール
「また俺の負けかよ。いいとこまでいったんだけどなぁ」
「途中までは、だろ。最後まで気を抜かないことだぜ」
「もう一戦……は、いいや。疲れた。戦略練ってる頭がオーバーヒートする」
「休むならデッキをしまってからにしろ!崩れるぞ」
「分かってるよシャーク。 あー…、あ」
「あ?」
「あんさ、」
「なんだ」
「もし俺が存在していないものだったら凌牙はどうする?」
「唐突にどうした」
「なんとなくさ。で、どうする」
「…存在していないっていう意味が解らねぇよ。幽霊ってことか」
「ふは、どうだろ。ソレに近いかも。俺の姿も声も凌牙にしか見えないし聞こえない、そんな感じかな」
「だとしたら俺の奇行に誰かしらが訝しむだろ」
「うん。でもそれも、周りからはわからないようになってる。神代が俺と話している事もデュエルしたりしてる風景も、違う風に見えてるとしたら?」
「…気味が悪いな」
「わあ。びっくりするくらい正直」
「だが、お前は存在するだろう。悪友だと言って俺にお節介を焼くお前は今ここに居る」
「…そだね。俺はがらんどうな存在じゃないよな」
「お前がロマンチスト気取りだと寒気がする」
「まあ、今日はエイプリルフールだからだね」
「は?」
「素晴らしい熱弁をありがとうシャーク!感動した!」
「……」
「……、ね?」
「許しを乞う準備は出来たか?」
「えっ」


どこまでが嘘なのやら




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