璃緒♂×凌牙/近親相姦注意
二人以外、誰も知らない秘密があった。身内の親ですら知らない、知られてはいけない神代兄弟の秘密。
母の胎内からずっと同じ時間を生きてきた二人が見つけてしまった感情とその行き着いた先。お互いを貪欲に求めた結果は、『普通』からずっと逸れていた。
どれだけ愛しているのかを知りたくて、二人は世間一般に互いの了解を得た男女が行うような、ぼやかさずに言ってしまえば性行為をするようになった。
神代兄弟の秘密、それは同性である身内を誰よりも愛し、肉体関係を結んでいるということ。
そうした行為の始まりは幼い頃リオに促され、たどたどしく口付けた幼稚なキスが切欠だ。唇を合わせるだけで満足だったそれは年を重ねるにつれ物足りなくなる。もっともっと、リオは凌牙を、凌牙はリオが欲しくて堪らなくなっていった。
そんな双子が一線を越えてしまうのは時間の問題だったのだろう。余裕のない瞳と声で「凌牙、」と乞われてしまえば、兄はすっかりリオに心も身体も主導権を握られてしまった。
「あっ、リオ、り、お……っ」
「っ、ふふ。凌牙はセックスになると本当に泣き虫になるんだから」
上も下もこんなに濡らして。
熱い自身を穿ちながら、リオはゆるりと凌牙に覆い被さる。ぐっとお互いの顔が近付いた為、挿入が深くなり、凌牙は快感を逃がそうと荒い吐息を吐きつつ身体を捩る。涙を流し、それでも必死にリオへ腕を回すいじらしい様はリオの余裕を煽るのには十分過ぎるものだ。
「っ!凌牙、そんなに締め付けて欲しがらないで?ちゃんと好きなだけあげるから」
「うぁ、欲しがって、なっ……!だっ、て……リオが、ひぁあ!?」
「凌牙の嘘つき。ほら、こうして俺が動いたら、奥がもっと欲しいってきゅうきゅうしてる」
自身が深く入った場所の縁をつつ、となぞれば藍色の美しい髪がぱさぱさと揺れ、一際高い啼き声が上がった。普段から綺麗な兄をこの手で乱れさせている、と言う支配欲に似た何かがリオの中で満たされ彼は無意識の内に口許に笑みを浮かべる。
「あ、あっ! リオ、りお……!」
「っ」
余裕が剥ぎ取られた凌牙は、子供のように何度もリオの名を口から熱い息と一緒に溢した。名前を呼ばれる度に、心の奥が満たされ、身体は熱を帯びる。
生々しい体液の交わる音と凌牙の嬌声がぐらりとリオの理性を崩していた。
「はっ……、凌牙、少しだけ力を抜いて。中に出しちゃいそうだから」
「は、ぁ……出せ、よ」
「お腹壊したら嫌でしょ?だから外に出すってば」
普通なら中に出して良いと言わない兄が、自ら背中に腕を回しリオを離さない。
滅多に見せない甘える声と仕草に欲望に忠実な性器は固さを増してしまう。
「いい。……、リオの、全部が欲しいんだ」
「……っ、どうなっても知らないから」
「んぅ……、く、ふあ、あっ!」
激しくしてしまう事への謝罪として深く舌を絡めるキスを送り、情事を再開する。
たっぷり蹂躙した互いの口腔は酷く熱かった。
隠すことさえ出来ない凌牙の喘ぎに、限界だった抽出は深く早くなっていく。ぽろぽろと涙を流す凌牙と目が合えば、幸せそうに「リオ」と名前を呼んでくれる。
「凌、牙……!」
リオの大好きな声だった。
快楽に溺れる凌牙が狂おしいほど愛しく思える、甘い甘い秘密の交わり。
大好きなお互いの名を呼び、リオは最愛の中で果てた。