凌牙が知る銀河眼使いとは、強引で好戦的で言い方が上から目線で。兎に角、凌牙以外ならばストレスを増幅させるような灰汁が強い男だ。

デュエルではドラゴン族の強烈過ぎる力を見せ、凌牙はその強さに魅入る事もあった。デュエルをするならば、これほど気分が高揚する相手は中々いない。
銀河眼使いの、デュエルでの実力は素直に認める事ができる。
だが、人としては……少々難ありかもしれない。

「凌牙、黙ってばかりでどうした。 デュエルでもしたいのか?」

「なに!デュエルがしたいのかナッシュ。 私ならば喜んで相手になってやろう!」

銀河眼使いは難ありだ。間違いない。
凌牙は両側から掛かる声に軽く眩暈を覚える。いくら凌牙達がいる場所がショッピングモールの隅だとしても、銀河眼使いの容姿は良い意味で人目を惹く。自分へと向けられる声に、恥ずかしくなり言葉が上手く引き出せなくなる。


「……いや。何でもねェから俺に構うなよ」

「何故だ」

「コイツが邪魔なのか?」

「貴様……」

「分かったら少し口を閉じろ……カイト、ミザエル!」

チクチクと刺さる通行人の視線に、羞恥心が煽られる。
とうとう我慢出来ずに、凌牙は銀河眼使いの口を両手で塞いだ。
むぐ、と凌牙の掌で会話を止められ、銀河眼使いは大人しくなった。しかし、凌牙を見る眸はとても楽しげに喜色を浮かべている。

右に金色、左に金色。大雑把な配色で示したが、矢張り銀河眼使いは見目麗しい事に違いはない。
右側で凌牙を『ナッシュ』と呼称する銀河眼使いのミザエルは、慌てる凌牙を見ながらフフン、と笑う。
対する左側にて銀河眼使いのカイトは、凌牙の口をふさいでいた手を取り、その爪先へ口付けを落とした。

「な、な……!」

「見ろミザエル。凌牙が珍しく照れたぞ」

「照れるナッシュは確かに珍しい。ハハ、頬が熱い」

「っ、っ!」

手を取られ、頬をなぞられ、頭がパンクしそうになる。

銀河眼使いは、厄介だ。
デュエルでも愛情表現でも……強過ぎて、捕まったら逃げられないのだから。



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カイ→凌←ミザを目指して撃沈
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