シャドレバイス視点からみたデッキモンスターに愛されてる凌牙




私の名はCNo.32シャークドレイク・バイス。ランク4、水属性の海竜族のカオスエクシーズチェンジをしたナンバーズである。
そんな私だが、デッキホルダーの中で日がな一日過ごすのも暇なので思っている事を綴っていこうと思う。

シャークドレイクバイスその前には正式名称の海咬龍が付く。どうだ、格好いいだろう。そうそう、海咬龍の龍の字だが省略すると竜という字体になるのだそうだ。ふはは、省略された字体を使うどこぞの銀河眼の光子竜とは違うのだよ銀河眼の光子竜とは!……ごほん、召喚しやすさや元々の攻撃力で奴に劣っているからか、つい悪口を言ってしまった。攻撃力200の差は越えられるようで越えられない。悔しい。

……それは置いておいて。
銀河眼は直接は関係無いが、その使い手が大いに関係がある話をしていこうと思う。
始めにも話した通り、私はナンバーズである。紆余曲折あり、今は神代凌牙という少年が私を所持している。始めのうちは、人間の小僧が生意気な……、と反発と言う名の精神乗っ取り地味た事を考えたりもしていたが、凌牙の近しい人間に対する危機感の緩さに今はそんな気すら起きなくなった。

デッキホルダーの中で、古株であるエアロシャークにその事を話せば、『またか!また過保護が増えたぞ!』とブラックレイランサーに爆笑しながら知らせていた。煩い、OCGで弱体化されたくせに。
弱体化エアロは兎も角、話を聞いたブラックレイランサーは無言で私のヒレをぽんと叩き、……深く頷いて見せた。――そうか、お前も凌牙は何処か抜けていると思っていたんだな……。彼と私の間に奇妙な友情が出来た瞬間だった。

ブラックレイランサー曰く、凌牙は不良だが気を許した相手にはとことん尽くすし甘く、口は悪いが第三者から見ればその言葉すら愛らしく(ツンデレと言うらしい)聞こえるのだそうだ。
ああ確かに、と頷く私の隣で何時の間に来たのかキラーラブカも深々と頭を縦に振っていた。
この過保護筆頭のキラーラブカ、凌牙を溺愛するあまり彼を狙う人間には常に牙を剥いているらしい。勿論デッキホルダーの中なので見えはしないが、デュエルになれば相手モンスターの攻撃を封じ攻撃力もダウンさせるという輝きをみせる。しかも墓地から発動なので無効にされる確率も少ない。
『デュエルではマスターを守れても、私生活でマスターの貞操を狙う野郎共から守れないのが悔しい』と言ったキラーラブカの声は真に殺気立っていた。

ここまで思い起こしてみたが、簡潔に言ってしまえば凌牙は多方面から好かれている。一つ下のアストラル体を連れた後輩、とある一家に銀河眼使いに果ては異世界の住人達ときた。
異世界の住人は兎も角、後輩と一家の次男坊と銀河眼使いには僅かでいいから『貞操の』危機感を覚えて欲しい。男は狼なのだ、陸で生きることを選んだ鮫なんてあっという間に喰われてしまう。勿論性的に。

少しうだうだと語り過ぎたようだ。凌牙にそろそろ喚ばれそうなのでこれくらいにしよう。
当面の目標は凌牙と意志疎通が出来るようになることと、どう彼の貞操をモンスターカードである我々が守るかだ。




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キラーラブカはショタでお願いします
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