とても雑談/会話文/色々と残念な兄がいる




「なあ、俺はこの面子から外せよ」
「何を言っているんだ、貴様だって妹がいるだろう」
「神代、長兄は強制参加だ」
「……何でお前ら、二人揃って優雅に紅茶飲んで……いや、もういい。一々突っ込むと体力もたねぇ」
「Vが悩みながら選んでくれた茶葉だ、それを君たちに勧めない訳がないだろう。……しかしその紅茶をVに淹れて貰うのは私の家族だけの特権だが」
「うわ……」
「特権、か。それならばハルトのくれるキャラメルを貰えるのは俺だけだと思うと、堪らないな……」
「ああ、そう。Vの淹れる紅茶は兎も角、ハルトは仲良くなった奴にはキャラメルくらいくれるだろ」
「なん、だと……」
「遊馬とかよ。アイツには懐いてるんじゃねェのか?」
「確かに、彼はVの友達にもなってくれたようだしな」
「俺なんてハルトから貰ったキャラメルの包み紙を大切に取ってすらいるんだぞ!それほどのモノを簡単に貰えるだと……クッ」
「この兄貴怖ェ……おい魂狩る発言は禁止だからな」
「な、……俺に!黙って見ていろと!言うのか!」
「うぜぇぜ!テメェが黙れカイト!」
「ほら、喧嘩をするんじゃない、折角の紅茶が冷めてしまうぞ?」
「クリス……」
「Xってマイペースなのか」

「ふふ。まるで兄弟喧嘩のようだが、……そうだ凌牙、ウチのWと一日家族を交替するのはどうだろう?君は冷静に物事を見れるし、何より父も気に入っている」
「却下だ。俺にはリオがいる。……それにリオへWを近付けさせたくは、ないんでなァ」
「神代、デュエルディスクはしまえ……どこかに乗り込む顔だったぞ今」
「……。今のは無意識だった」
「おや。意外と天然な一面もあるんだな、君は。ハハ、カイト、矢張り五つ以上の年下は可愛らしいものだな」
「貴方の中では、です。俺はハルトが一番可愛らしいと思っているので」
「ブレないカイトもさることながら、Wの扱いが予想以上に可哀想に思えてきた。これ、長兄の兄弟雑談だよな……?」
「さあ?」
「今、さあ?って言いやがったぞこの銀髪」
「男兄弟は色々大変なんだろう」
「そんな、もんか」
「後は弟が思春期とかか?」
「思春期すっ飛ばしたカイトには言われたくはないだろうな、Wも」
「ほう?思春期真っ只中だというのにデュエル三昧な貴様にも言われたくないだろう」
「あ?」
「なんだ神代、やるのか?」
「いいぜ、丁度良い機会だ。リベンジしてやる」
「返り討ちが目に見えているだろうに」
「――こら。二人ともデュエルディスクを構えるな、落ち着きなさい」

「ぐ」
「チッ」
「全く、兄が二人揃って喧嘩早いと苦労するのは下の子なんだぞ」
「分かっ、た」
「いい子だ」
「……なあ、X。それってWとVを見て言ってるのか」
「さあ?」
「目が笑っていな、いや何でもない……。そう、だな」



次兄(W)が喧嘩早いアークライト長兄、ブラコンが凄まじい天城長兄、苦労を強いられている神代長兄でお送りしました。
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