こわいはなし
「そこには血まみれの女の人が…」
「ぎゃあああああ!!」
ついつい叫んでしまった。
オカルト好きな日吉は怖い話をよく知っている挙句、話し方もやたらとうまいので本当に怖い。
細部まで話すおかげでまるで、話の中にいるような感じさえした。
無表情で淡々と話すので余計に怖い。日吉はのどが渇いたのか、ペットボトルのお茶を喉に流し込んでいく。そのあと、一息ついて顎を少し引いたあと、ところで、と切り出してきた。
「向日さん、ずっと聞きたいことがあったんですけど」
「んぁ?」
早く今の話を忘れたくて侑士に話かける。しかしすぐに日吉にさえぎられてしまった。
「入部したときからおもってたんです。・・・いっていいですかね?」
「・・・なんだよ、はやく言えよ!クソクソ!!」
もったいぶるように日吉は下を向いたり唇をなめたりしていた。
少しびくりとしながら続きをいうように促す。
「ずっと、向日さんのとなりにいるツインテールの女の子・・・誰ですか?」
「ぎ、ぎゃああああ「えっどこやツインテの幼女!!」」
一瞬部室が静まりかえり、日吉がため息をついて一言いった。
「気持ち悪いです、忍足さん」
うん、よくいった日吉。