休日
部活も無い休日。
適当にそこにあった漫画をベッドの上で読みあさる。
時間の無駄だとは思っているが、たまには怠惰な生活もいいだろう。
漫画を読み進めていくと、俺の優秀な腹の虫(名前はアレキサンダー)が空腹をつげたので時計を見ると12時を少し過ぎた所だった。
のそりと立ち上がってクーラーを切る。まだ涼しさの残る部屋から居間へ出て冷蔵庫を漁った。
輪ゴムでしばったスパゲティの袋を取り出し中を確認する。
あと三人分か、余裕じゃな。
料理は苦手な方ではない。
出来たタラコスパゲティを一口。
うん、うまい。
するとチャイムがなった。
悪いが今は飯が先。面倒じゃしのぅ。
そう思いスパゲティをすすっていると、チャイムが連打される。
ピンポーンと連続で鳴り響く音で、いやいやながらも立ち上がる。
「……」
扉を開ける前にドアスコープで確認すると、満面の笑みの幸村がそこに立っていた。
最近休日といえばこいつと会っている気しかしない。
俺には開けるか死ぬかという究極の選択肢しかなく、命が惜しかったので仕方なくドアをあけた。
「なんでさっさと開けてくれないんだよ」
「……」
「あ、スパゲティある一口ちょーだいありがとう」
「俺なんも言っとらんのじゃけど…」
勝手に部屋へ上がった幸村は、スパゲティを目ざとく見つけ、迷わず口に運ぶ。
そして一言
「まずい」
「スパゲティじゃのに?!」
「なんか違うんだよね。あ、キッチンとパスタとソース借りるね」
「…………。」
幸村が台所にたっている間、大人しくさっきのスパゲティを食べる。
……普通にうまいと思う。
「できたっ」
「なんか早くなか?」
「お前の食べるのが遅いんだよ」
なるほど、確かに皿のスパゲティから先ほどまででていた湯気はすっかりなくなっている。
「はい、食べてみて。絶対俺が作ったやつの方がおいしいから」
自慢げに差し出されたフォークを受け取り、幸村のスパゲティを一口食べた。
「…俺が作ったのとあんま変わら「おいしいおいしい!」…」
もうほんとこいつやだ