こんなときですから
連日続く雨は金太郎から元気を奪うのも難しくはなかった。
白石が持ち前の顔でバレー部バスケ部を脅し…もとい、説得した(あの端正な顔が憂いを帯びた表情をしたら誰も断れない)結果体育館でテニスはできたもののやはり青空の下で思い切りしたいわけで。
「外でテニスしたい〜!ワイもうあきた!」
やはり、こうなるのである。ここは流石部長というべきか。毒手で金太郎を制止した。
首をこきりと回して白石は確かになぁと言った。そうしてみんなに指示を出し早々に室内用のネットを片付ける。
「じゃあ、バスケやろか」
爽やかな笑顔に歓喜するものもあれば、震えるものもあった。もちろん、断れずテニス部なのにバスケをすることになるのである。
***
「めっちゃ汗かいたわ」
Tシャツをパタパタとさせ風を通す。長ズボンなんてはかんかったらよかったわ。
進んで審判をするといった財前意外はみんな汗だく。しかしまだゲームは終わっていない。
ゲームの終わり…すなわち、俺たちの飽きがくるまで何回もチームをかえたりしながらたっぷり遊んだ。
「はい、謙也」
白石が俺にボールを投げてきたが、掴んだあとゆっくり下に置いた。
あまりにも暑かったのだ。
「すまん、俺ちょっとズボン脱ぐわ。すぐやからちょっとまってな」
「なんね、今いいところちはやくしなっせ!」
「スピードスター(笑)なんやろ」
「謙也ぁ、空気よんでやぁ」
白石の毒舌は今に始まったことじゃないが千歳と金太郎の毒舌は心にくるものがある。いつもはここでトドメに財前なのだがやつは興味無さそうに携帯をいじっている。
てかちゃんと審判せえや!
わかったわかったといって長ズボンに手をかけ、思い切り下に下げる。
あーやっぱりハーフパンツ涼しいわ。
「…ん?」
みんなのあつい視線を感じ、視線のほうを向く。みんな一緒に見ている場所は、…下腹部。
目にはいったのはキラキラの星がたくさん描かれたパンツと写メをとる財前だった。