アイス
「あれー部長、アイスもうないっすよ」
練習でかいた汗をふきながら冷蔵庫を覗く。
仁王先輩は冷たい床に寝転びうわごとのように「あついあつい」と呟いていた。
「おかしいなぁ、6本入り昨日買ったのに」
レギュラーでアイスを食べるのは俺と丸井先輩と仁王先輩、それから部長だけなはずだ。
副部長はたるんどるとか言って食べないし、柳先輩もお腹が冷えると言う。ジャッカル先輩と柳生先輩はなんだかんだいって遠慮してくれる。
「ねぇ、みんな何本食べた?」
「俺一本だけだぜぃ」
「俺一本も食っとらんのじゃけど…」
「俺は二本っす」
正直に答えたのに丸井先輩に殴られるわ仁王先輩にティッシュケース投げられるわで散々だった。ひでぇ。
「幸村くんは?」
俺の頭をなお殴り続けている丸井先輩は部長に問い掛けた。
「俺さんぼーん☆」
アンタが犯人じゃないスか!