サプライズ


「誕生日おめでとー」
「あ、ありがとう…」

謙也の手の中に収まっている小さいクラッカーはぱーんっと大きな音を立てて破裂する。
続いて心底面倒くさそうな財前が遅れてクラッカーをならした。

「ちょっ財前!一緒にならすでっていったやろ!」
「めんどいっすわ」
「ははは」

財前と謙也のかけあいについ笑みがこぼれる。
それをみた二人は、目を合わせて少し(財前はほんまに微かやったけど)笑った。

「はい白石入って入って」
「え…」

ぐいぐいと背中を押され部室にいれられる。
その瞬間またクラッカーがなり耳がおかしくなりそうだった。

「白石ぃー!!誕生日おめでとう!!」

金ちゃんが大きな声で叫ぶ。おお、おおきに。

「ここに座るばい」

千歳が椅子を引いて座るよう促す。

「白石はん、これみんなから」

銀がラッピングされた袋を渡してくれる。お礼を言う前に小石川が大きなホールケーキを机に置いた。

「ケーキもあんでー」
「蔵リン、ほら食べて食べて」

小春がフォークを左手に無理やり握らせ背中を叩く。

「死なすど!!」

なんで!?

「なあ白石ぃ、あれ見てや!ワイが書いてんで!」

金ちゃんが包帯の巻いていない方の腕をぐいぐいと引っ張り、上の方を指差した。

「え?」

言われるがまま上を向くと綺麗とはいえない字で゙白石謎生日おめでとう"と書いてあった。
謎生日になっとるやん…。


「金ちゃん謎って書けてんな…」
「?」
「なんでもないで。ありがぶっ」


いきなり顔に衝撃が走り今まで喋っていたためにあいていた口に甘い味が広がった。
ついでに目も見えなくなりポケットにはいっていたハンカチで顔をふく。
周りでめっちゃ笑い声聞こえんねんけど…。

「大成功やな!油断させたところにパイ投げ作戦!」
「さすが小春の考えた案やな〜」
「…お前らまとめて毒手やな」
「ひぃっ、毒手いやや〜!」
「白石、その顔で言われても怖くなかよ」
「どんどんパイ投げようや」
「まだあんのかい!」


たまにはこんな誕生日も悪くない。




1日遅れてしまってごめんなさい。
happy birthday 蔵ノ介!
20120415

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