未練を残したままでは上手に踊れない

ステンドグラスに映る色濃い逢瀬
ワインレッドの幕開け
ヒールの高さと見栄
無防備な胸元を飾る


ブリザードフラワーみたいな恋
枯れたばかりなもので
味気ない世界と眼窩


「踊れ廻れ、スプーンに委ねろ」


正当化された既成事実
虚偽を美化すれば神になれるのか
逃げるように踊るあの子の涙
小鳥のいない鳥籠
物言わぬ腕


「容易い選択は容易い結末を嫌う」


一寸先は段差
よくみて、ダンスのお相手は狼よ!
足が棒になったらダンスはお仕舞い
駆け落ちワルツ
ドレスに染みた液体の主張
煌びやかな街でフィナーレを

遺言はきみが一番知っている
焼き付けた林檎と知恵
過ちと現在の原罪

さよならは誰に告げれば良いのでしょう


 


 
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