微熱を理解するには幼すぎた僕たち
誰かの言葉がもうずっと絡まったまま
彼は生きていけないよ、私がいないのだから
心臓だけじゃなく私ごと切り刻んでほしかった
愛憎とはよくいったもので
毒を召す女
あなたはいともたやすく希望を断つ
アンバランスな世界で生きてきたね

あの人を構成した音楽を知りたい
あの人の目に留まる絵画になりたい
あの人により生かされる存在でありたい
あの人が食べたすべてになりたい
あの人と同じ生活がしたい
あの人から愛される人になりたい

きっとあの人が今まで聞いた音楽が彼を作っているのだ。思想や思考、価値観。ベッドにくるまって思うのは彼を知りたいなんて乙女心なんかじゃなく、彼の好きなバンドへの恨みだった。

笑いかけてくれないなら死にますなんて簡単に言える女の子になりたかった。