06
アヤノと歩きながら今日の事を思い出していた。
彼女は幸せそうに夕焼けの道を歩く。
数時間前
海を足に浸し、波が引けば少し奥まで行き、波がこっちに来る前にすぐに浜辺に逃げる。そんな遊びを二人でしていた。
流石に、すぐさま逃げられず……。
「きゃっ「ギャアアアアアアアアア」」!!
「シンタロー……。周りの目が……」
「おう……ご、ごめん」
シンタローは続けた。
「お互いに……濡れたな……アハハ……」
「そうだね。似た者同士だね。プッ……」
「プッって何なんだよ!!」
「何となくだよ……」
二人で笑いこけた。
と……いつの間にか膝より上まで行ってしまい……。
ザァアアア
大きな波が来て、二人を飲み込み全身が濡れても二人は笑っていた。
それを思い出し笑うと、「シンタローどうしたの?」とアヤノが俺と似たような笑みを浮かべた。
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