夕焼け空のキミにて。 | ナノ
 

05
 


遊んでいる内に夕暮れになった。
電車で1時間掛かるから早めに帰らなければならないのが悔しい。なぜ、こんな遠い場所を選んでしまったのか。

しかし、ずっと砂浜で海を眺めたり、石を集めたり、砂浜を掘ってみたり(ただ、服が汚れた)した時間は有意義だった。

だから、遠い場所を選んで良かったなと思った。クラスメイトは邪魔しに来ないという点でもだ。

服を早めに着替え、二人で帰ろうとした。
その時、アヤノに手を引かれた。振り向くがアヤノの表情はよく見えない。

「シンタロー……??帰りにあそこに行くって約束したよね……??」

少しどす黒い声だったが、顔を上げた時の表情は笑っていた。

……まだ、帰るのは当分先らしいです。



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