01
−−夏休みに入ったある日。
アヤノからメールが来たんだ。−−
初めは、宿題がどうのこうのと言う内容かと思っていた。アヤノは勉強が苦手だからな……しかし、それをバカにする気は無い。反対にそれが可愛く、応援をしたくなる気持ちになるのだ。それほど、アヤノの事が『好き』なのだが、どうしても気持ちを伝える事は出来なかった。理由は簡単。お互いに少し内向きなのだ。臆病なのだ。
だから、アヤノからのお誘いには驚いた(内心は嬉しい)。
『シンタロー、おはよう。夏休みだし、海に行かない??』
このメールを打っている時、アヤノは絶対に顔が真っ赤だったに違いない。心臓はバクバク言っていたのだろう。お互いに似ているため分かるのだ。分かるからこそ、アヤノの気持ちに答えよう。
夏休みは長い。
幸い宿題も塾からの課題も早めに終わらせ、時間にはとてもゆとりがある。
『アヤノはいつ、日にちが空いているんだ?』
どうして海に行こうと選んだのかが判らないが、それは後で聞けば良い。
そう思って、俺はアヤノの予定を聞いた。
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