いろいろしょーせつ | ナノ
※かなり昔に急いで書いたものを無理矢理、シンクロ次元編に繋げました。※


大規模なアクションフィールドで作られた氷河の世界を歩く。まるで、真実が何処なのか判らずグルグルと暗い道を歩いているかのように。
遊矢と離れた柚子の頼りはブレスレットのみだった。そして、柚子に似たセレナと出会い、頼りだったブレスレットのせいか……ユーゴと一緒にシンクロ次元に飛ばされてしまった。

自分の周りに起きる事を解決させたい。私に似た少女(瑠璃)の存在や遊矢に似たユートたちのこと……。
そう思えば思うほど、仲間である遊矢や権現坂と離れていった。

「うーん。分からないわ……。」
今は、フレンドシップカップに向けてデッキを考えたりしなくっちゃ!と気持ちを切り替えようとしても、上手く行かない。
「今、どんな所か?」
「きゃああ!覗かないで!」
ハリセンでパシーンとユーゴに叩く。当の叩かれたユーゴは「痛い痛い!」と涙目になっていた。
「急に何をするんだ!ここはリンの部屋じゃなくって俺の部屋でデッキを組んでいるんだから、見させてくれよ!」
そういえば、そうだ。
風呂に上がった際に大会に出ることを知り、デッキをその場で組み始めてしまったんだっけ。

「ごめん、ユーゴ。」
「いや、良いって。慣れたよ。」
「慣れた?」
柚子は引いたような目でユーゴを見た。すると、ユーゴは慌てて話を変えた。
「いや、気にしないでくれ。このハリセンはスタンダード次元の時から持っているのか?」
柚子は手に持っていたハリセンを見つめた。
「そうね……このハリセンもブレスレットと同じくずっと持っているわ。」
興味深い目で柚子に近寄り座るユーゴ。このときの柚子は、ユーゴを邪魔だのデリカシーが無いだの思わなかった。
「柚子はハリセンで遊矢を叩き俺も叩いたんだろ?あと、もう二人も叩けると良いな。」
「はぁ?急に何よ?」
そんなに叩かれたいのか、柚子はため息を吐いた。
「いや、リンを拐った奴を柚子のそれで叩けば素直に謝るかなってさ。」
「そっち?……でも、早くリンと再会が出来ると良いわね。」
「柚子も遊矢と再会できれば良いな。」

「……そうね。」
一瞬、ユーゴの顔が遊矢に重なる。
早く平穏な生活に戻れるように、今はフレンドシップカップに向けてユーゴからデッキのアドバイスを貰ったのであった。


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