いろいろしょーせつ | ナノ
はぁ〜どうしたら、強くなれるのでしょうか?
そういえば、以前誰かが『賭場』っていう所に行けば強くなれるとかなんとか……。
う〜ん。悩んではいられません!
いざ、びゅびゅ〜ん☆

−−−
さてさて、賭場に来ましたよ!
大人数で行く訳にもいかず、伊予河野軍の若い武士を一人連れてきた。鶴姫は気付いていないだろうが、彼は−−。
「姫御、やっては駄目ですよ。」
「……?やらないで、どう強くなるのですか?」
頭を抱え心配そうにしていた。
興味津々に博打のやり方を聞いている。
「分かったかな。お嬢ちゃん?」
「はい!とっても良く分かりました!」
こういうのは、未来を見てしまえば良いのですね!
鶴姫は、絶対勝ってやりますよ☆ばりの闘志を目に宿す。教えてくれた人と鶴姫、両者が勝負の炎を燃やす。
従者はオロオロとしていたが、他の人に「兄ちゃん!大丈夫だよ」と肩を叩いていた。
「そういう事ではなく……。賭けるものは無しでも良いでしょうか?」
「あぁ、小ちゃな嬢ちゃんから着ぐるみを捕ろうとするなんて思ってませんよ!」
「……感謝します。」
良かった……姫御を守るのが私の役目。しかし、まだ安心できない。
「じゃあ、さっき説明したので勝負だ!」
「どんこ来いです☆絶対に負けませんよ!」

「ふふふ!全勝です☆」
鶴姫は勝ち誇った笑みを見せる。周りには観客が集まって居り賑やかになる。そんな賑やかな喧騒の中、見覚えのある人に気付く。サイコロを見つめては何だか落ち着いてないお方だ。珍しい茶色と赤色の髪、確かつい最近豊臣軍に入った……。
ここで、二人の目が合った。
「ゲッ!鶴姫ちゃん?!」
「左近さん?!」
「うん、って本当に来ちゃったの?」
「だって、以前教えて下さったのではありませんか?」
周りの「なんだなんだ?」という視線やガヤを気にした左近は従者に断って鶴姫と共に賭場の外に出た。

「もしかして、賭場に来ても意味がないという事なのですか?」
路地裏に出た二人は建物の影に隠れているよう。
真剣な鶴姫の眼差しに申し訳なさそうな表情で左近は返した。鶴姫を賭場に向かわせた言葉を言ってしまい、本当に申し訳ないのだが、ちゃんと訂正したつもりだった。だから、しっかりと言った。
「いや、俺はちゃんと訂正をしたつもりですがね。」
「!!まさか、私に嘘をついたのですか?」
後ろの家屋の屋根まで飛び距離を取り、酷い!と言わんばかりに弓を構える。
慌てながら左近は上手く弓矢を避けた。
「違っ、ここで矢を飛ばさないで!ね?嘘をついてるなら普通訂正とかしないしょ?」
「言われてみれば……。」
はっとした表情を見て弓を下ろす、箱入り娘の巫を見て左近は安堵した。殺されずに済む、と苦笑いをした。
顔を俯きながら鶴姫が降りてきた。
「どうしちゃったの?項垂れて。」
「私、騙されない人になるために賭場に来たのに記憶違いでした。」
「無理もないしょ?(戦っていたんだし)」
「左近さん……私。」
何だか知っている音が聞こえてきた。
「?」
「騙されやすい人認定合格ですか?」
「いやっ!何で俺が採点者なのよ?」
左近の表情を覗きこむ。本当に言葉通りだった。
(と、迎えが来たようですね。)
鶴姫は無量の矢を纏わせ、また屋根まで飛び、左近の主ーーー三成の攻撃を上手く避けた。
空の色は今日も綺麗だ。

ーーーおまけ
「左近、何をしている。」
「ゲッ!」
「賭場まで来て女遊びか。」
「違いますよ!鶴姫ちゃんの相談に乗っていただけです!」
「なに?!預言者は何も言わず笑ってるぞ。本当なのか証明は出来ないよな……戻ったら罰としてーーー」
屋根に座り込み、大谷さんが来るまで、まだ何も失っていない二人のやり取りを眺めていた。






鶴姫さんと島さん
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