※現パロなので、孫一がさやかに。鶴姫のみ前世の記憶持ち
鶴姫は「家康さん」、家康は「鶴」呼び
地味に鶴→家康表現あり、家康消失で嫌な予感がする方はブラウザバック推奨※
悪い御神託を受けました。
それは、私には到底避けられません。
(……この後、雨が降るのですか。)
まだ空は晴れているのに不思議です。雨が降るなんて天気予報にも出ていないのに。
鶴姫は不思議と生まれた時から前世の記憶とやらを持っていた。が、何故か慣れてしまった。前世の頃から好きだった人達が居て、優しさの中で生きた為だろう。
そして、前世の頃からある未来を見通す能力も健在である。毛利さんが演じた方ではなく、本物の卑弥呼様のお声は聴こえないのが淋しいものであった。
徐々に雨雲が青空に広がっていく。
廊下で外を眺めていた鶴姫は教室に入ろうと、踵を返すと、"前世からの知り合いさん"に出逢った。
「何か悪い預言でも頂いたのか?顔が曇ってるぞ?」
笑顔で話し掛けて来たのは家康だ。
「そうです。この後、雨が降るそうですよ。」
「それは参ったな〜。今日、陸上部の応援を頼まれていたのに、雨が降るようだと練習が難しい。」
家康は後ろの髪を掻く仕草をした。
何があっても明るく陽気に返してくれる所は変わらない。
鶴姫はその姿に癒しに近いものを感じる。
「悪い御神託を受けた時、家康さんと話すと安心します。」
「そうか?それならワシも嬉しいぞ!」
「ふふ……!」
ニコッ!と満面の笑みを見せる家康に鶴姫は微笑んだ。
しかし、鶴姫が受けた御神託はコレだけでは無かった。
《家康さんに不幸が降り注ぐ》
多分、事故に遭うのか遠い昔からの知り合いに会ってしまうのでしょうか。そして、前世の……家康さんが覚えていない過去の因縁を晴らすのでしょうか。曖昧にしか見えないのが悔しいです。
それに加えて、私一人の力じゃ避けられないのです。
(とても胸が痛みます。)
「どうした?また表情が−−」
「あ、いいえ!何でも……無い、訳じゃ無いです。」
突然、涙が出てきてしまった。
私の不思議な話を聞いたとき、始めて『ワシは鶴殿の話を信じよう!』と言ってくれた。そして、裏切ることなく真っ直ぐに、いつも話を聞いてくれた。
そこから、さやか姉様に打ち明ける事が出来た。
(何とかしたい、です。なのに、私が何をしても変わらないって運命なんですか?!酷い、酷いです……。)
声に成らない叫びが涙として現れる。
流石に周りの人も驚いた様に二人を見ている。それを見兼ねた家康は、然り気無く人目の無いところへ連れてってくれた。
雨が降り始める。
鶴姫はずっと謝る。
落ち着いた後、真剣な目差しで告げる。
「家康さん、貴方の身に悪い事が起きます。私の力では避けられません。」
家康は少しだけ目を見開いて黙った。そして、「そうか……辛い思いをさせて済まなかった。」と苦く笑う。
鶴姫は首を横に振って否定をした。
「気にするな。時々、悪いことが起きてしまうのは、ワシも鶴殿も同じ事だろう?」
(家康さんの笑顔、眩しいです。)
何故か胸の鼓動が速くなった。何故か顔が熱くなり口元が緩む。
雨の音など聞こえないのは、きっと鶴姫だけだろう。
しかし、預言は見事的中してしまった。
喪ってしまった哀しみに明け暮れたが、さやかが手を差し出してくれたお陰で何とか今に至る。
今日も綺麗な空を見上る。そうすると、自然と御神託を受る。それと同時に、あの日に思いを馳せた。
(また、逢えますよね。)
《いつかまた、再開する》
この御神託を信じて、鶴の姫巫女!……ではありませんが、びゅびーん☆と進みますよ!!
−−−
書いてる内に片想い鶴姫ちゃんになった。
鶴さんと家康さんと