いろいろしょーせつ | ナノ
−−じゃあね、皆の活躍を楽しみにしてるよ。
−−うむ、我も見守っているぞ。何かあれば頼むが良い。

3年生の引退に伴い生徒会は寂しいものにはってしまった。
"豊臣生徒会"と噂されるまでに、秀吉と半兵衛の力が強く、皆がみな離反(脱退)したのだ。それでも、思惑に利用された二人は残っているが……。

メンバーは、2年の吉継と三成、政宗、1年の左近と家康である。政宗は運動部の利益の為に巻き込まれ、それに同情した家康が生徒会に入った。表向きの理由はそうである。

「すまない、戻って来たらしっかりと働くからな!」
「何かあったらcallしてくれ!」
「……了解した。まぁ今は暇な時期よ。きっと何とかなろう。」

政宗と家康は先月から大会の練習の為、生徒会に顔を出せない。三成と左近だと噛み付くので、吉継が相手をした。

−−−
(誠に嫌な予感しかしない。三成よ、左近よ……好き勝手にしない事を祈るばかりよ。)
御輿をフラフラさせながら、生徒会室に入る。
いつも通り、三成と左近がノートに色んな事を書きながら、吉継を待っていた。
やはり、いつもより騒がしい。

「じゃあ、次は生徒会目安箱を設置したいです!」
「……必要なのか?」
「はい、皆の意見を取り入れるのは大事っす!」
笑顔で三成に賛成を求める。
「確かに。そうだな……刑部はどう思う?」
二人とも吉継の存在には気付いていたので、話を振ってきた。

(左近よ……後で覚えておけ。)
吉継は左近に向かって不吉な笑みを浮かべた。

生徒会目安箱−−それは、要望を紙に書いて送り付ける為にある。二人が居ない間に、左近が発案し、箱を強引的に設置するに至る。ちなみに、イカサマを嫌う左近の事なので、政宗と家康の二人にはメール等で確認した。

「普通はあっても良いのだが……。」
お腹を抱え膝をつく吉継を見た三成は慌てて駆け寄った。
「そんじゃ、(三成様が)目立つようにしなちゃいけないっすね!」

そう口笛を吹きながら、箱に三成を模したのにハロウィン風の服を着けた。殺風景な廊下に設置しても目立つ。暗がりであれば、三成の目が赤から青まで光り輝き、廊下を照すだからだ。

勿論、初めは「秀吉様と半兵衛様が築き上げた生徒会を冒涜しているのか……!」と三成は反発した。
そこまでは至って普通であった。

完成した箱を見せ説明して居るとき、三成の木刀で左近は斬られかけた。吉継は居たが笑われるだけで助けてはくれない。

「キヒヒ……せいぜい耐えよ、左近。」
「いやいや、俺死にます!!」

木刀が左近の腹部に当たり、痛い音を出している。三成も歯軋りをし痛い音を出している。

「痛い痛いです!」
「ならば、生徒会に相応しいように、御二方の模した箱にしろ!」
「流石にそれは出来ませんって!三成様ならば出来るんすか?」
「勿論だ。」

「キヒヒ……ん?」

鼻で笑い三成はPCで何やらコピーをし始めた。そこで、吉継の笑い声は消えた。

「三成よ。太閤の顔写真を印刷している訳では……無いよな?」

少し焦りながら、吉継がPCの画面を覗いたが時すでに遅い。左近の設計図をベースにした目安箱の部品(写真)が印刷されていた。

「三成様、今は三成様が主体なんですから……!!」
「違うぞ左近!御二方の時代は未来永劫に続く。続いているからこそ、私たちは御二方の姿をこの学校に遺さなければならない!」
「そんだったら、三成様も加わって下さい!"豊臣秀吉の左腕、三成様"って!」

そこから二人は盛り上がった。在校中の秀吉と半兵衛の名を叫ぶ三成と、三成の名を叫ぶ左近の声が学校を越え、地域住民の元まで響いたのは言うまでもない。

「秀吉様ァアアアアアアアアア!
「三成様ァアアアアアアアアア!」

−−パリーン☆

思わず耳を塞ぐ。次には叫ぶ二人と窓ガラスが割れ床に散乱していた。

(経費は主らの趣味にある物では無いのだが……。)

豊臣生徒会の強さを示したい方向性を間違えている三成と左近には、吉継の想いは届かない。




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