−−−工夫すれば段ボールだって、椅子に出来る。
アカデミアの箱い……女戦士、セレナはこの事を知った。
「廃材で椅子が出来るのか……!!」
そう目を輝かせ感心するセレナを遊矢は見ていた。
遊矢は、セレナが何を言っているのか分からなく一瞬考えた。
「廃材で……椅子を?そうか!廃材で笑顔が出来るのか!!」
「!!遊矢、見ていたのか」
「あぁ、その廃材とは何だ。」
本を片手に持っていたセレナに詰め寄る遊矢、セレナは嫌な顔せずに「今からコレで椅子を作ろうと考えていた。」と指を指した。
その指差した場所は、そう意外と日常生活にてお世話になっている段ボールだ。
「組み合わせが難しいようだが……。」
「しかし、面白そうだな!」
「あぁ。遊矢は協力をしてくれるのか?」
本から目を離し、遊矢を見つめるセレナ。遊矢はセレナの期待に応えるように「仲間なんだから当たり前だろ。」と笑顔で返した。
−−−
それを遊矢の内部から見つめる者が居た。一人しか居ないが、ユートである。
「アカデミアと交遊を図ったか。」
遊矢とセレナはコンビニで段ボールを集めに行き始めた。
「なかなか、面白そうだ。俺も作りたいが。」
身体が無い。
いつか隼と瑠璃で何かを作るか、ユートはため息を吐いた。
そういえば、とユートは遊矢を見つめ返す。
「デュエルで笑顔に……と言ったが、廃材で笑顔にとは言っていない。」
遊矢のエンタメのせいだろうか。
遊矢が少し曲がった方向に行ったことは見ない振りをした。
−−−
「……。」
「どうした。」
段ボールを運びながらセレナは、ぼんやりしている遊矢に声を掛けた。
「いや、誰か俺に『間違っている』と言っていなかったか?」
「? 私は聞いてない。」
二人分、いやそれ以上の椅子を作るために必要な段ボールはまだまだ足りない。
一旦、帰ったらまた段ボールを取りに二人は出かけるのだろう。
−−−昔に頂いた拍手コメントから書いてみました。そして、段ボールから椅子を作るのは、工芸の授業であると聞いたのでそれを元にしました。これだと拍手絵通りになるには多分、まだ先だろうなと。だから、これは前触れだったりしなかったりします。
段ボールで椅子を作りたい!