ハンティングゲームの話
ジズルは前線に立った者達を勇敢に思い憧れていた。

「ハンティングゲームのようでさ!」
「そうそう!子供なんか弱くてさー!数稼ぐのには良いぜ!」

「……私はその子供にすら負けるかも知れない。」

ジズルは目線をしたにやった。そこには机の上に載った資料の数々があり、偉大なる先輩方が築き上げたデータを応用し、出来上がった最悪な機械についての事がある。

「私は子供にすら負け続けた人間だ。しかし、ユーリ様はそんな私を拾って下さったんだ……悲しいがやるしかない。」

前線に立つ者たちの言葉を聞いていると胸が痛むが、この最悪な機械を使わないとジズルはカードにされるであろう。

一度だけ前線の補佐としてエクシーズ次元に足を運んだ。しかし、弱い私は直ぐ様仲間とはぐれた。

「ちっ、はぐれた。」

走りながら彼女は、小さな子供を見つけた。「にいさま……」と枯れた声で呼び続けている。

「……(これは、いい褒美になるかな。)」

「ねえ君?」

「……姉さんは誰?」

そっとディスクを構える。

「兄さんのお友だちだよ!!あはは!!」

少年をカードにさせようとしたが、そうとは行かなかった。

「やめろ、幼い子供まで……!!」

そう。彼の名前は後に知ったのが、ユートが現れたのだ。そこで私は身を引いた。自分自身を守るために。

しかし、上に怒りを買いジズルは処刑されるハズだったが、ユーリがプロフェッサーに提案したのだ。

−−−この娘、上手く逃げられるみたいだから囮として、時には研究者として使ってみたらどうか?と。

実際の口調はもっと違うが、プロフェッサーはそれで良いとした(らしい)。
その後、ユーリの部下となりジズルなりの方法で戦うことを決めた。

それから、ジズルは時々囮として前線に立っている。抹殺命令者のデータ収集が主だが、生物兵器でエクシーズ次元の殲滅を進めようと考えた。

「ねえ?コレは順調なの?」

ユーリ様の問いに答えた。

「明日、エクシーズ次元のこの地帯に導入します。」

遠くて若草色の目をした三編み結びの少女が驚いた顔をし、その場から立ち去った。聞かれた所で別に追いはしないが、さて、どうなるか。

「ねえ、ジズル。疲れているの?」
「……?」

ユーリ様自前の鏡を見るとジズルの目には光が無かった。


−−−
紫花は今日も従う、より前の話です。一応、話を聞いてしまった少女は本編で出てきたモブキャラを使わせて頂きました。あの子はセレナに似ていて好きです。