七夕butterfly! 2
琥珀は舞綱駅に着いた。そこはかなり大きな駅である。様々なお店が夜遅くまでやっていたりしていなかったりしている。

琥珀はただただ広いロビーに向かった。

流石に夜10時を越えた駅は、酔っ払いが居り琥珀は顔をしかめる。

だらしがないな〜と思いながら、広告に目をする。明るいイベント・祭りのポスターから不審者情報のポスターまで様々だ。

『情報求む! サングラスを掛けた10代後半のデュエリストが……。』

「不審者が10代?!」

不思議すぎる。10代ならばまだ、法で守られているから公表されないのでは?と疑問をポスターに向ける。

おまけに似顔絵が貼られている。
琥珀は嫌な予感を感じ取った。

−−−舞綱市が探している人間。

その時、肩を強く掴まれた。

「おい、お前!!」

驚いて振り向くと一人の青年が立っていた。サングラスにロングコートを着ている。不良ならば受けてたとうじゃないか。

「貴様こそ急になんだ?」

相手は無言でディスクを構え、琥珀もディスクを構えた。どうやら、相手のディスクはオリジナルのようだ。

「あれ?貴様……は、あのポスターの人?」

琥珀は嫌な予感がしたポスターを指差した。

相手は激情の表情になり「俺の事を知っている奴はカードにする!」とディスクを琥珀に向けた。
ディスクが光出す。その光は余りにも眩しく琥珀は目を閉じた。

「くっ……!」

−−−
少し時間が経った後、目を開ける。私の身体はカードになっていないし、何も起きていない。

「くそっ!何故だ!」

それは琥珀こそ聞きたいが、光る胸元に掲げていた指輪を掌に載せた。
不意に相手の目の前に光る指輪を差し出し、目を潰そうとした……が、逆効果だった。

「ネムなのか!!ルリと一緒に消えた訳では無かったのか!」

「はい?」

近付いて来るので、ふざけた事を言わないで!とビンタをした。少し感情的になったせいで相手は飛んだ。そして、サングラスが取れ、黄色の鋭い目が琥珀を映す。

「何故、俺を叩く!」

「それは貴様が不審者だからでしょうが!」

琥珀にはやりたい事がある。通報するよ!とポスターに指を差したら、姿を消した。

「……サングラス割れてる。」

22時40分。琥珀は確かに舞綱市から追われている青年と出会ったのだ。唯一の証−−割れたサングラスを拾い、目的の場所へもう一度向かった。


駅の改札、そこには笹があり願い事が飾られていた。
まだ大丈夫だろうか?琥珀はペンを手に取った。

−−3へ続く。