ネックレスが落ちていた
徹夜し終わった〜とジズルは眠りに就いた。数日間、残業中し続けてようやく仕事が終わった。

それは、ユーリも同じことであった。

(眠い。)

「ジズル開けるよ?」

扉を開けると紙束を枕にし、眠り続けるジズルの姿があった。

頬を捻ったり髪の毛を弄ってみたりするが反応は無い。

「つまんないな。」

近くにあった椅子に座り、遠くにある試験管を見つめる。暗室を照らす不気味な光がジズルの頬に辺りに当たっている。悲しく消えそうだ。

そして、紙束が散乱しペンも散乱している。所々、壊れた機械なのか銀色のパーツが落ちている。

その一つを拾い上げた時に気付いたが、それは他の壊れた機械のパーツではなく、只のネックレスであった。それは、オレンジ色に輝く宝石が埋められた指輪が通っている。

ユーリはそれに見覚えがあった。
黒咲瑠璃の親戚である一人の少女を倒した時だ。余りにも地下の狭い空間でした為、最終的には崩れ落ち、ユーリの代わりに押し潰されてしまったのだ。

敵であれユーリは驚き、その少女の元へ寄った。

『大丈夫……なの?』

『隼にぃ瑠璃ねぇ……サヨナラ。』

その瞬間、少女は光に包まれ消え去った。残ったのは、水色の宝石が嵌められている指輪が通っているネックレスのみだ。ユーリはプロフェッサーに伝える必要があると思いネックレスを届けた。

『これは、黒咲瑠璃に近し者が残していった物です。』

『そうか。ご苦労だった。その者は捕らえているのか?』

『いえ……。』

ユーリは瓦礫に押し潰され、致命傷を負ったまま光に包まれ逃したことを伝えた。
プロフェッサーは不機嫌ではなく安堵の表情を浮かべていた。


「これも届けるべきだね。ごめんね?」

ユーリはジズルの頬をつねりながら、ネックレスをポケットに仕舞った。

「えへへ……ユーリ様のお手製パフェ……きひひひ……。」

明日、ジズルにパフェをご馳走しようと決意しジズルの近くに座り眠りに入った。

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ユーリはジズルを愛鳥のように可愛がっています。つまり、軽デレ。ジズルはユーリのみに強い忠誠心を発揮し、発明をおこします。