06
どうやらリンはまた、合歓木と買い物に行くようだ。
少し複雑だが……俺たちの縁は切れねぇ!!

合歓木と一緒に外に出ていくかと思われたが、リンは切なげに俺を見る。

行くんだろう?とアイコンタクトをすると、リンは急に顔を赤くして叫んだ。

「ユーゴ!!」

「リンっ!」

リンが掛より俺がそれを受け止める。

つい数年前まではリンの方が背は高かったが、今はほどよく追い越し、俺の腕の中にリンが入り込む。か、可愛い。

「どうしたんだ?リン?」

「ずっとこうしていたくなったの!」

「しかし、また会えるだろう?楽しんでこいよ。」

「ユーゴ……また−−−。」

「……。」

私は二人のようになれるのだろうか。
−−−
黙り込み二人を眺める合歓木の隣に隼が歩み寄って話し掛けた。

「合歓木……いや、ネム」

「ネム?」

「この前、ユーゴと話したときに考えた。」

「つまり、ニックネーム。イコール、愛称?」

「愛称まで重くないものだ。また、愛称はペットネームも入るぞ。」

「ペット。黒咲くんは何が好きなの?」

「……鳥なら何でも好きだ。ハヤブサ、フクロウ、文鳥、鳩、雀、シマエナガ、……。」

気付くと俺は鳥の名前を上げていた。
ネムは笑顔で「意外な場面やね!」と言った。
−−−
合歓木は明るく陽気でパワーがある奴だ。
しかしながら、合歓木にはあだ名が無かった。
それは、独自の合歓木の世界に入り込もうとする人が少ないからかと考えた。

『そんなこと言うならば、テメェなんならあだ名を付けてやれよ。』

『俺が?』

『アイツは俺やリンこそ側に居るが、みな浅い付き合いだ。』

『……。』

どうしてか分かるか?

表情で質問を投げ掛けるがユーゴは『合歓木、合歓木……』と呟きながらあだ名を考えていた。

おい、それは俺が決めるべきだろう。

次の瞬間、出てきた言葉は『ネム』であった。

『ネム……いいあだ名じゃねぇーか!』

ユーゴは隼の頭に腕を乗せてきた。
隼は驚きバランスを崩した。