04
遊びに来た合歓木は気まずい雰囲気で帰っていったが、前はずっと合歓木から距離を置き半ば無視をし続けていた。

なので、久しぶりに長い時間を過ごせたので嬉しく感じた。

『黒咲くんって頭良いよね!憧れるっ!』

『知らん、去れ。』

『え。』

いつも同じことの繰り返しをしていたせいで、違う言葉を返したのは頭が狂っていたに違いない。

違う言葉を返した事が表と出るのか裏と出るのかはこれから。

隼はベッドに身を預け眠りに着いた。

−−−
「リンちゃん!相談いいかい?」

「あんた、また変な語尾の練習……。」

「違うよん。案外、真剣な話!」

「良かった。」

真剣な話とはなんだろう、とリンは考える。この頃、親しくしている黒咲についてだろうか?そうだったら、可愛い質問だ。

「ストーカー?」

「そう。ずっと後を付けられてるから、出来れば一緒に帰りたいの。」

でも、私はよくユーゴと帰りたい。
しかし、ストーカーは無視できない。こんな非力そうな合歓木だから、ストーカーだったら相手に負けるだろう。

「うん、丁度良いから黒咲くんと帰りなさい!」

「え。頼みに行くのはちょっと。」

「大丈夫よ!行ってきなさい!」

リンちゃんはストロングだから頼んだのに〜と言うのを無視して、背中を物理的に押す。

ちょうど、本を読んでいた隼の上を覆い被さるように合歓木は倒れ込んだ。

「話は聞いたが。」

「戸惑ってるの?」

「俺は合歓木と帰り道が逆方向で難しい。」

「そんぐらい、あんた送りなさいよ。」

ピシャリと隼に返すリン。

「いやいや!大丈夫だからね。リンちゃん?」

「いいえ、許さないわ!」

「どうして?」

クラス中の目線が集まっていく。

「うぉ!リンちゃんストロング!」
「合歓木も黒咲を押せ!」
「イヤー黒咲くんの戸惑ってる顔、レアだぜ。」

ざわめきが起こり慌てる合歓木に対し、勝負よ!というかのように炎を燃やすリンと黒咲。

「折角、今までこんなこと出来なかったんだから一回ぐらい……あら?」

リンの言葉が止まる。何か忘れている感じがした。

「分かった。帰りが遅くなる時だけ送ってやる。いいな?」

そして、これから黒咲くんと帰ることになりました。