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これはこれは昔の話。

まぁ、昔と言っても昨日も昔。これを読む少し前も昔。普通に一年前、それ以上前も昔に入る。

とてもじゃないけど、いつなのか分からないよね。

折角、これを見てくれているんだし教えてあげようかな?

……いや、説明が難しいな〜。

ざっくり簡単に言うとね、今これを読んでいる君達がいる世界は……


−−−ここでページが終わっている。
元々、シミが酷いページだったから見にくいけども。

「この世界でもこのページも変わらないんだな。」

少年は呟きは元居た世界には伝わらない。


−−−
「黒咲くんって、いつも点数良いよね。憧れる!」

また同じ時間、同じ声色、同じ服装……全て同じだ。

「……。」

今までは短く『あぁ』と同じ返しをして来たが、そろそろ苛立ちを隠せなくなってきた。

全てが、大事な者までも、俺までも、機械に思え見えてしまう。

一回ぐらい違う返しをしても世界は狂わないだろう。

また繰り返してしまうのだろう。

「秘訣ぐらい教えてやってもいい。」

俺はずっと合歓木とこの世界に逃げていたいだけだ。