電波を受信しました!!
「あ、いま、4階に悠祈がいる!行こうぜ、柚子」
何となく判った。
絶賛片想いをしていると気が付いた時から、悠祈がいる場所、声、が判るようになった。
「遊矢……?悠祈は教室なんじゃないの?」
疑う柚子。
しかし、悠祈は4階にいた。
何となく遊矢と話したいな、って念じたら(?)彼が来た。
何となく当たり前になっている事が実は可笑しいだなんて考えてなかった。
何となくいる場所が判ることを柚子に聞いた時にわかったのだ。
「……はぁ……遊矢も同じことを言ってるわ」
「遊矢も!!?」
「声が大きい」
「え、あ、はい。すみません」
「結構、凄いけどさぁ……可笑しいわ」
遠くで悠祈の声がしている
。
だから、その場所に行ったら柚子と悠祈が居た。
遠くに居ても相手が判ること……。
悠祈も同じなんだ……。
俺はあることを思い付いた。
夜は悠祈も家にいる。
俺は、感覚に告げられた悠祈の家まで来た。
少し古めのアパートだ。俺の家に来れば(嫁入り)……ナニ14才が考えているんだ!
良からぬ欲望を抑え、家の窓を見ると人影が見えた。
いや、家のドアを見れば誰の家か判る。悠祈の名字は確か……
七味
漢字で書かれていた。
俺は今すぐに悠祈を拐いたい気持ちに駆られたが止めて、自分の家に帰ろうとしたが。
窓から外を眺めていると遊矢くんが見えた。
悠祈はすぐさま窓を開けて彼を引き止めた。
そして、家に招き入れた。
まさかの展開だ……遊矢は思った。
『ふふ。今日は家族が帰ってこないの。良かったら泊まっても良いのよ』
こんな大胆な事を言うのか。
『まぁ、そんな事は無いけどな!!!』
結構、黒いんだな。
そんな風に上の空になった遊矢に、反応をわくわくしながら待つ悠祈。
この二人が混じり合うときはいつなんだろうか。
『遊矢くん……つまらない』
「……!!」
『もっと、反応してよ……』
涙目の悠祈の破壊力は半端ない。
いつの間にか鼻血を出してしまい、顔が真っ赤になり、寝てしまった(気絶)。
『ゆ、遊矢くん!!!』
ため息を吐きながら遊矢を介抱する。
お泊まりをさせない気で居たけど、遊矢が起きるまで……明日の朝まで介抱しようと決めた。
膝の上で寝ている遊矢の髪を撫でながら悠祈は話した。
『柚子ちゃんから聞いたと思うけど、私ね遊矢くんの居場所がなんとなく判るの。遊矢くんも同じなんだよね。
不思議だよね。私は遊矢くんが好きになってから、こうなったの……。遊矢くんはどうなのかな??……遊矢くん好きだよ。』
なんてね。
言っても無駄なんだけどさ。
「悠祈……」
『遊矢くん?!……聞いてた』
「好きな人の膝枕は反則」
その途端、顔が赤くなるのを感じた−−。
君の電波を受信しました!!
(こういうのも運命なのかな?)
−−−−
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