朝の通学



ぼんやりしています。
朝の通勤時間帯。

しかし、邪魔な物がある。

「あの、すみません。」

イヤフォンを外し相手に声を掛ける。

「何ですか?」

「その……マントっぽいのが頭に掛かっているのですか……。」

「あっ、ゴメン。」

そう今、彼女の頭の上には、隣に座っている少年の重力に反する肩掛けの袖が、まるで頭を撫でるかの様に乗っていた。