空音
「悠祈のことを愛しているよ。」
『遊矢……ありがとう。』
いつもの言葉に耳を傾ける。
でも、そろそろそれも終わりよ。
−
『嘘つきなピエロが居ました。』
「それって俺の話?」
『そうよ。遊矢は本音を隠した道化でしょ?』
「バカにしてる?」
『してないわ。』
「ふーん。じゃ、悠祈行ってくるよ。」
『仕事に?』
「そう。」
……パタン。
『嘘つき。』
空音
(今日も空は澄んでいるのに遊矢は空音を吐きます。)
「ごめん。嫌いだ、悠祈。」
『私も、空音しか言わない遊矢は嫌い。』
「空音?」
『《いつわりの言葉。うそ。》なんだって。合ってる?』
最後の遊矢は本音でした。