元気無くて。



※柚子は不思議な力に呑まれて消えたけどその姿を悠祈しか見ていないため、行方不明扱いになっていますがそれでも大丈夫な方はどうぞ。












「悠祈は元気無いのか……」

遊矢は塾長にこの頃、悠祈が学校や塾に来ていない理由を聞いた。学校では音通不信だったのでわずかな確率だったが。しかし、予想通りではなくて塾長は「悠祈は体調を悪くしているんだ」と遊矢に言った。

俺は素良とアユたちに、悠祈に良いものを食べさせようと提案し、元気の無い彼女にご飯を持っていった。

「悠祈、大丈夫?」

「悠祈お姉ちゃん、失礼するよ」
「失礼するぜ」
「失礼します」

「悠祈〜?ご飯を皆で作ったんだ」

窓からの光を遮る暗い部屋の中でベッドに横たわっていた悠祈は立ち上がったが、その場で倒れてしまった。

「ゆ、うや……」

弱々しい悠祈に駆け寄るみんな。
「無理しなくて良い。」というと強く頷いていた。

帰り道、素良に不意に悠祈について聞かれた。

「遊矢は思い当たる節ある?」

「悠祈のことか?俺もよく分からない」

「時間の問題だね」

素良はペロペロキャンディーを舐め始めた。

「まぁ、そのうち元気が出るんじゃない?」

「そうか……。」

そのあと、俺は素良と別れた。

俺は夕焼け道を歩きながら考える。突然、行方不明になった柚子と入れ替わりで入った悠祈。皆の傷はまだ治らない中に「柚子さんに誘われて」と笑顔で遊勝塾に入ってきたのだ。時々、仕草や雰囲気が柚子と重なる。そして、今回も行方不明になる前の柚子と重なってしまう。
皆はそう思うのか?
あのとき、何かに落ち込んで居た彼女を助けることが出来なかった後悔が脳裏に浮かぶ。
もう仲間を失いたくない遊矢は心配だったので、改めて悠祈の家に戻ることにした。


悠祈の家に戻った時、遊矢は目を疑った。

「私はソプラノの効果を発動!!」

悠祈が柚子のカードを使用している?まず、デュエルをするということは誰かに襲われているのか−−!!

「融合召喚!!今、舞台に勝利の歌を!!」

「悠祈!!」

窓が割られていたので直ぐに部屋に入ることが出来た。

階段を駆け上がるとそこには−−。

「遊矢……?」

「お前は……柚子なのか」

部屋の中はめちゃくちゃに荒らされていた。でも、悠祈の相手はもうライフポイントが0のようでうなだれている。

「何回言わせるの。私は七味悠祈よ。」

「違う!悠祈のデッキはライトロードだったはずだ!これは柚子のデッキだ!」

いつの間にか、俺は悠祈を引っ張り家を出て中央公園まで連れていった。



−−−−
まさかのライロ!
これ、連載っぽいですがThe blue sky which the arc drewのネタバレじゃあありませんよ!

7/22 加筆修正