01.赤ずきんちゃん?





◇もしスパロボのキャラで赤ずきんちゃんの物語を始めるとしたら。
〜狐狼一家+α編〜






いつかの時代。
ある森の中に、母親と娘が仲良く暮らしていました。
なぜ不便な森の中で暮らしているのか、どうやって金銭の収入を得ているのかは謎でしたが、母親と娘は平和な日々を過ごしています。


そんなある日のことです。


「アルフィミィちゃん、お姉さまに『これ』よろしく☆」

母親はそう言うなり、食べ物の詰まった籠を娘に渡しました。突然降ってわいてきたお願いに、娘は難色を示す様子はありませんでしたが、憂いが滲み出ていました。どうやら呆れかえっているようです。

「エクセレン、歩いて十分もかからない距離ですが……」
「いいからいいから、じゃないとお話進まないから! あと私のことはお母様って呼んで! ね!」

必死に小声で説得するエクセレンに、アルフィミィは小さな溜め息を漏らしました。



数分後。

「これでよし。う〜ん、さすが私の娘。赤いずきんがよく似合うわ〜♪」

エクセレンは、赤いずきんで着飾った娘を我が事のように褒め称えました。確かに、鬼のペイントがよく映えています。ツッコミ禁止。

「では、行ってきますお母様」

がちゃり、と外界へのドアが開き、娘――赤ずきんちゃんは外へ出ました。

外に広がっているのは一面の緑。小鳥のさえずり。木の葉の音楽。

平和な森の姿です。

しかし、母親はいつになく真剣な表情で赤ずきんちゃんに言いました。

「いい、アルフィミィちゃん。けっして狼さんに甘えないようにしてね。あ、狩人さんは無視しちゃっていいわよん」
「えくせ……お母様、台本のセリフが変わってますけど……」
「いいの、これは愛のチカラってこ・と・で☆」
「………………そうですか」

赤ずきんちゃんは母親の忠告をあっさり無視し、さっさと森の中を進みました。





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