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そうして彼と会うたびに戦い、宇宙を乱すはずの彼らと何度も出会うたびに、女の子の中に感情が積もった。

積もった感情をもとに、女の子はやっと、自分に対して疑問を抱いた。

私は『もの』?
私は『彼女』?
私は『何』?

私は、『誰』?

疑問と同時に女の子は恐れた。

私の気持ちは偽りでできているのだろうか、と。

肯定と否定。
女の子の中で、それらは次々と不安要素を作り上げていった。

それが『願い』というカタチになったのは、最後の最後になってからだった。



最後の戦い。
最終決戦。

その最中で意志に見捨てられ、ついに女の子は思った。

ただ流れてくる意志に従う形の思いではない。

女の子自身の意思で思った。



彼らと共に。
二人の近くに。

……私は、『私』でありたい。


女の子は願った。
それは叶えられた。

彼らの力で、意志が消滅したのだ。


女の子は少しだけ変わった。

女の子は、二度と出られないと思われた空間から帰還した彼ら――人間の意思の強さを知った。女の子は、彼らが自分を受け入れてくれようとしていたことに驚いた。

女の子は嬉しかった。
同じように、悲しかった。

女の子は知っていた。

それは泡に消えゆく夢に過ぎない、と。




女の子を創った意志が消滅し、女の子の存在を支えるものが無くなって、女の子は塵に消えゆく自身を、ただ見ていた。


『彼女』の狼狽の声が聴こえる。
自分の名前を呼ぶ『彼』の声が澄み渡っていく。

既に五感が失われつつあるというのに、不思議とその声たちは女の子に届いた。




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