02





終わった。
『力』を封印した今、残された問題はただ一つ。

別れの言葉はなかった。
また会えるとわかっていたから。

それでも、今この時この場所にいるのは紛れもない彼女。

過去に戻ってしまえば、彼女は俺を知らない『彼女』になってしまう。

『俺』を覚えている全ての人たちが『俺』を知らないことになってしまう。

それでも、それが正しい歴史の在り方なのだ。

二つに分岐する歴史に遥かな思いを馳せて、オカリナの音が心地よく響く。

さようなら、みんな。
さようなら、―――



暗転。





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