終わった。『力』を封印した今、残された問題はただ一つ。別れの言葉はなかった。また会えるとわかっていたから。それでも、今この時この場所にいるのは紛れもない彼女。過去に戻ってしまえば、彼女は俺を知らない『彼女』になってしまう。『俺』を覚えている全ての人たちが『俺』を知らないことになってしまう。それでも、それが正しい歴史の在り方なのだ。二つに分岐する歴史に遥かな思いを馳せて、オカリナの音が心地よく響く。さようなら、みんな。さようなら、―――暗転。